第2節 官から民への様々な手法(23)
(23) 理論的には、公共財の外部経済性やメリット財としての性質がユニバーサル・サービスの根拠となり得るが、個別の公共財について、その外部経済性の程度や、それがメリット財であるかどうかといった点については、必ずしも明確な論拠はないとの議論もある(Clarke and Wallsten (2002)参照)。例えば、途上国の中には、電話回線網の利用をユニバーサル・サービスとして位置付けているところは多いものの、メリット財としての性格がより強いと考えられる医療への国民の十分なアクセスが保証されていない国もいまだに多いとしている。