第5節 財政・金融における構造改革の進展(21)
(21) 例えば、米国では、90年に採択された包括予算調整法は、国防費や他の政策的経費等の「裁量的」経費に対して上限額(キャップ)を設定する一方、医療費や失業給付等の義務的支出と歳入については、政策変更が財政収支に影響を与えないよう、政策変更によって財源不足が生じる場合には義務的支出の削減か増税でまかなうことをルール化した。また、EUでは、通貨統合参加の条件として、一般政府の財政赤字がGDPの3%以下に抑制されていること、及び、政府債務残高がGDP比60%以下に抑制されているか、あるいは満足のいく速度で減少していることが求められ、かつ、通貨統合後も、財政赤字が一定幅以上に達する場合には課徴金が課されることとなっている。