第4節 デフレ克服への展望(12)
(12) こうした留意点を踏まえた上で、GDPギャップと消費者物価の相関関係(犠牲率)について、試算を行なってみると、消費者物価が1%上昇するにはGDPギャップが4%ポイント程度縮小する必要があるとの結果が出てくる。また、OECD(2001)の日本に関する推計によると、インフレ率を1%ポイント変化させるには需給ギャップが1.6%ポイント程度変化する必要があるが、インフレ率が1%以下の期間に限って推計すると、インフレ率を1%ポイント変化させるには需給ギャップが6.3%ポイント変化する必要があることが示されている。
なお、GDPギャップと消費者物価の相関関係(犠牲率)は、実際の物価上昇率と期待物価上昇率が同一になると仮定し、フィリップス・カーブの推計式の期待物価上昇率の係数γ及びGDPギャップの係数βを用いて、(1-γ)/βによって計算される。