第2節 金融の再構築(17)
(17) ここで用いた遷移行列とは、具体的には、金融庁が公表した2000年3月末から2001年3月末にかけて債務者区分を移動した債務者データのことである。この遷移行例はリスク管理債権を対象としたものであり、不良債権比率の計算の対象となる金融再生法開示債権とは前提が異なるほか、その採用にあたっては、(i)債権自体の遷移行列も債務者の遷移行列に等しい、(ii)遷移行列が時間にわたって変化しない、などの仮定が必要になる。また、要管理債権の遷移行列は利用可能ではないため、要注意先債権に占める要管理債権の割合を2001年度3月期で一定と仮定した上で、要管理債権の推移を割り出すこととした。