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第1章 世界経済の回復とギリシャ財政危機

第3節 アメリカ経済

 アメリカ経済は、大規模な景気刺激策と金融システム安定化策が功を奏したことなどから、09年7〜9月期以降3四半期連続でプラス成長を記録し、緩やかな回復が続いている。しかしながら、その成長の姿をみると、政策効果に加えて在庫投資に支えられた部分が大きく、最終需要は緩慢な伸びが続いている。
 本節では、アメリカ経済の現状を概観した後、個人消費及び住宅市場、企業活動、貿易の回復の持続可能性について検討する。その上で、景気の先行きに対するリスク要因として、失業率の高止まりが続く雇用情勢、デフレ懸念のある物価動向、回復の二極化が進む金融セクターの状況を概観し、今後の展望について分析する。さらに、危機対応から平常時へという今後の政策転換を考えるため、金融・財政政策の現状を把握した上で、過去の経験を踏まえて今後の政策のあるべき姿について考察していく。


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