22 国際商品 International Commodities |
<国際商品市況の動向>
サブプライム住宅ローン問題により金融資本市場が大きく変動し、投資家の資金に「質への逃避」の流れが生じたことや、中国を始めとする新興国による需給の拡大を受けて、07年半ば以降より国際商品市場へ資金流入の加速がみられた。国際商品の総合的な値動きを示すロイター・ジェフリーズCRB指数は、07年半ば以降より上昇のペースを速め、08年1月には過去最高値を更新し過去最高水準で推移している。商品別にみると、08年1〜3月期に原油を始め、金・銅等の価格が上昇し過去最高水準で推移している。また、穀物についても、新興国需要拡大に加え、気象要因やバイオ燃料向け需要の拡大等を背景に、小麦・トウモロコシ・大豆等の価格が上昇し、08年1〜3月期に過去最高値を更新し、その後も上昇または高止まりしている。
<原油価格の動向>
BRICS等の新興国での需要拡大に加え、サブプライム住宅ローン問題を発端とする金融資本市場の変動やOPECが生産を据え置いたことなどから、投機的な資金が商品市場に流入し、07年から08年にかけて原油価格は過去最高値を更新し大幅に上昇した。原油価格の主要指標であるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)先物価格(期近物)は、1バレルあたり07年1月には50ドル台であったが、夏場のドライブシーズンにかけて上昇した後、さらに上昇し10月には90ドルを超えた。07年全体では、WTI先物価格の平均値は72.3ドル/バレルと昨年(66.2ドル/バレル)から9.2%上昇した。08年に入ってからも、需要拡大見通しによるひっ迫感の高まりやドル安のさらなる進展などから投機資金の商品市場への流入が続き、1月には初めて100ドルを突破し、6月末には140ドルを超えて過去最高水準で推移している。