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14 ドイツ         Federal Republic of Germany


ドイツ経済のこれまで

2007年の経済>
  2007年の経済成長率は2.5%となり、06年からは減速したものの、1.6%程度とみられる潜在成長率を大きく上回る成長となった。内需の寄与度は、06年には1.8%だったものの、個人消費が減少したことから0.8%にとどまった。個人消費は、07年1月からの付加価値税率引上げ(16%→19%)前の駆込み需要の反動もあり、07年初から弱含んだ。対照的に、機械設備投資は加速的な減価償却制度の適用が07年末までであったこともあり、前年比8.2%増と06年に続き高水準の伸びとなった。外需の寄与度は、EU新規加盟国や産油国の成長を背景に資本財を中心に輸出が順調に拡大したことなどから1.7%となった。労働市場改革の成果が徐々に結実し、また、景気回復による循環的な要因もあって雇用情勢は顕著に改善し、失業率は07年末には8.4%(06年末は9.8%)まで低下した。エネルギー価格等の影響により、消費者物価上昇率は07年半ばから上昇し、年末には3%を超えて推移した。

2008年の経済見通し>

ドイツの主要経済指標  

  2008年の経済成長率は、07年を下回り1%台後半となる見込みである(欧州委員会1.8%、民間機関22社の平均1.7%(08年5月時点))。民間機関の見通しは、半年前(07年11月時点2.1%)に比べて下方修正されている。 内需のうち消費については、雇用情勢や所得環境の改善によって下支えされるとみられる。足元の物価上昇により消費者の実質購買力は目減りしているが、消費者物価は、エネルギー価格の高騰が予想以上に長期化しなければ、07年の付加価値税率(VAT)や授業料の引上げの押上げ効果が消失する年後半には前年比上昇率でみてやや低下すると見込まれる。
  投資については、08年初から受注が弱含むなど、ユーロ高、外需の減速、金融機関の融資基準の厳格化といった外部環境の悪化を受けて07年よりは減速すると予想される。他方、ここ数年の景気回復もありドイツ企業の収益力や財務状況は改善している。また、ドイツ企業は主に内部留保を投資の原資としていることから、金融資本市場の混乱による資金調達環境悪化の影響をそれほど受けないと予想される。外需については、アメリカ等の主要輸出先の減速やユーロ高等から伸びが緩やかになるとみられる。08年には比較的高水準の賃上げにより単位労働コスト(ULC)も上昇すると予想され、これまでのような賃金抑制による国際競争力の維持は困難になるとみられる。
  こうした見通しに対する下方リスクとしては、アメリカ経済の一層の減速、金融市場の混乱の長期・深刻化、急激な為替変動(ユーロ高)に伴う輸出の減少等が懸念される。

<財政政策の動向>
   2007年の財政は、事実上収支均衡(4億ユーロの黒字)となり、EUの「安定成長協定」で定めた遵守基準(財政赤字が同3%以内)を06年に引き続き達成した。ドイツ政府は07年12月に欧州委員会に提出した安定プログラムにおいて、08年と09年の財政収支の見通しをそれぞれGDP比▲0.5%及び0.0%としている。財政収支の改善を受け、ドイツに対する過剰財政赤字是正手続は07年5月に停止されている。08年は07年に引き続き景気回復による税収増が期待されるものの、やや収支が悪化するとみられ、その要因は、(1)法人税率の引下げ等(GDP比で0.3%の押下げ効果)、(2)雇用保険料の引下げ等(同0.3%)、(3)公的部門の賃金上昇(同0.1%)等とされている。また、ドイツ金融機関のサブプライム関連損失計上に伴う税収減はGDP比で約0.2%程度とみられるが、その規模等は不透明な部分もなお多く、影響が注視される。


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