<国際商品市況の動向>
中国を始めとする新興国における需要の拡大や世界経済の堅調さを受けて、国際商品の総合的な値動きを示すCRB(コモディティー・リサーチ・ビューロー)先物指数は上昇基調となり、2006年5月には史上最高値をつけた。しかし、その後年後半にかけては軟調な展開となった。商品別にみると、原油をはじめ、銅・アルミ等の工業原材料で調整がみられた一方、新興国需要拡大に加え、オーストラリアの干ばつ等の気象要因やバイオ燃料向け需要の拡大等を背景に、小麦・トウモロコシ・大豆等の穀物価格の上昇が目立った。07年に入ってからは、再び上昇基調で推移している。
<原油価格の動向>
中国やアメリカ等での需要の増大に加え、イラン、ナイジェリア等の地政学的リスクの高まり、投機資金流入の増大等を背景に、原油価格は2006年に入ってからも上昇を続け、7月にはイスラエルのレバノン侵攻を契機に、原油価格の主要指標であるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)先物価格(期近物)は一時、時間外取引で78.40ドル/バレルの史上最高値をつけた。しかし、その後はアメリカ景気の鈍化により原油需要が減少するとの見方や、地政学的リスクが後退したことなどから調整局面に入った。06年全体ではWTI先物価格の平均値は66.2ドル/バレルと昨年(56.7ドル/バレル)から17.1%上昇した。07年に入っても、北アメリカの暖冬の影響で暖房用の石油製品需要が限定的となったことなどにより、1月には終値で1バレル50ドル近くまで下落するなど軟調な推移となっていたが、アメリカでの寒冷な気候やガソリン在庫の減少等から2月中旬以降はおおむね60ドル台前半から半ばで推移している。