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4  韓 国         Republic of Korea

韓国経済のこれまで

<2005年の経済>
  2005年の経済成長率は4.0%となり、05年初の時点での政府見通しの5%程度に達しなかった。年前半は世界的なIT関連材における在庫調整の影響により輸出が伸び悩み、個人消費も力強さを欠いたことから景気の回復は緩やかになった。しかし年後半は、99年に導入されたクレジットカード利用優遇策に対する反動として生じた家計債務の調整の進展に加え、所得や雇用環境の改善を背景に、低迷していた個人消費の増加ペースが加速した。また世界的なIT需要の回復に伴い、ウォン高にもかかわらず輸出が05年央以降比較的好調に推移したほか、企業設備投資も徐々に増勢を強め、景気は順調に回復した。

<2006年の経済見通し>
  2006年の経済成長率は5%程度と予測される(政府見通し5%(05年12月時点)、民間機関31社の平均5.0%(06年4月時点))。民間機関の見通しは、半年前(05年10月時点4.2%)から上方修正された。世界経済やIT需要の回復を背景に輸出は2桁の伸びが続くほか、所得と雇用の改善が続いていることから個人消費の拡大傾向が続き、05年の4.0%を上回るとみられている。

韓国の主要経済指標

下方リスクとしては、原油価格高騰の影響等によるインフレ圧力の高まりに伴う消費の低迷や、ウォン高の一層の進行に伴う輸出の落ち込みが挙げられる。ウォンは景気回復や利上げ等を背景に05年10月下旬以降米ドルに対してすでに急速に増価してお   り、06年4月末では05年10月末に比し9.3%の増価となった。景気の拡大傾向やさらなる利上げの可能性を受けて、今後もウォンに対する増価圧力は引き続き高いとみられており、輸出への影響が懸念されている。また、国際競争力の差異から生じる大企業・中小企業間、及び産業部門間等において二極化が進展しつつあること、及び雇用環境は改善しているものの、その多くが非正規雇用の増加によることから所得格差がさらに拡大することも中長期的に懸念される。

<財政金融政策の動向>
  財政政策については、2005年12月に成立した06年予算は、政府原案では当初一般会計で145兆7,029億ウォン規模だったが、野党の要求を受け入れ、8,953億ウォン減額した144兆8,076億ウォンとなっている。内訳をみると国防費のほか、公務員人件費や南北協力基金等を減額する一方、急速に進む高齢化を背景に社会福祉費等が増額となった。また、06年の研究開発(R&D)投資額も、科学技術国債発行等による基金拡大に伴い、05年より14.2%多い8兆9,000億ウォンとなり、増加率は02年以降で       最も高い伸びとなった。これは政府の総支出増加率5.9%を上回るだけでなく、福祉部門の12.8%等ほかの部門に比べても大幅な伸びとなっている。
金融政策では、韓国銀行は06年2月9日、景気回復を受け、05年10月、12月に引き続き政策金利(コールレート翌日物誘導目標水準)を0.25%ポイント引き上げ、4.00%とした。この背景として、声明では「消費者物価は総合・コアともに概ね安定しているものの、予想より速い経済の回復、原油価格の高騰の継続といった潜在的なインフレ圧力がある。また、一部地域において不動産価格上昇がみられる。」とされている。その後、06年3〜5月の会合では金利を据え置かれたものの、引き続き潜在的なインフレ圧力の高まりが指摘されている。政府は05年8月及び06年3月に不動産投機抑制を目的とした「不動産総合対策」を実施したが、住宅販売価格は都市部で著しく上昇しており、目下のところ大きな効果はみられていない。


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