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3 中 国      People's Republic of China

中国経済のこれまで

<2005年の経済>
    2005年の経済成長率は、旺盛な外需と投資にけん引され、前年比9.9%と3年連続で10%前後の高成長となった。第3次産業は拡大しているものの(同9.6%)、依然として第2次産業の投資及び生産の寄与が大きい(同11.4%)。固定資産投資(名目)は、不動産や輸送等のインフラ分野の投資の伸びが高まり、05年は同25.7%増となった。貿易黒字は、05年は1,020億ドルと04年の約3倍に急増した。これは輸出が堅調に推移する中、年前半に輸入が政府のマクロコントロールや供給過剰の影響等から伸びが大幅に鈍化したことが寄与した。外貨準備高は急増し05年末は8,000億ドルを超え、マネーサプライ(M2)の伸びは05年末に前年比17.6%増となった。このように景気及び流動性が拡大し、原油価格が高水準で推移する一方、消費者物価上昇率はウェイトの大きい食料品価格の落ち着き等を背景に、05年は同1.8%と04年の同3.9%から大幅に低下した。(都市部)失業率は03年以降ほぼ横ばいで推移しており、05年4.2%となった。

中国の主要経済指標

<2006年の経済見通し>
  2006年の経済成長率は、8.5%程度と予測される(政府目標8%前後(06年3月時点)、民間機関31社の平均9.0%(06年4月時点))。06年に入り、1〜3月期の成長率が前年同期比10.3%、固定資産投資(名目)が同27.7%増と再び加速するなど、投資過熱懸念が高まっていることから、政府は引き続きマクロコントロールを強化するとしている。しかし当面は、世界経済が堅調に推移すると見込まれることから、輸出が増加するなど引き続き拡大を続けるものとみられる。なお中長期的には、持続可能な成長を目指すため、第11次5か年計画(06〜10年)において、従来の成長重視の方針を改め、(1)投資から消費主導の成長への転換、(2)農村重視、(3)省エネルギー及び環境保全等の方針を示し、計画期間中の平均成長率を7.5%とした。しかし、教育や社会保障制度等が十分整備されていないことから貯蓄率が高水準にとどまっているため、短期的には依然として投資けん引型の経済成長が続く可能性が高いとみられる。

<財政金融政策の動向>
  財政政策をみると、2005年度は1998年からの積極財政から穏健な財政政策に転換し、財政赤字は2,999億元(GDP比1.6%)となった(当初予算3,000億元)。06年度も引き続き穏健な財政政策を実施することとし、財政赤字は2,950億元(GDP比1.6%)と見込まれている。
  金融政策については、04年以降数次に渡りマクロコントロールの一環として利上げが行われてきたが、06年に入り、1〜3月期の銀行の新規貸出額(人民元建)が1兆2,600億元と、06年の目標値(2兆5,000億元)の半分を超えたこと等から、中国人民銀行は06年4月27日、1年半ぶりに法定貸出金利(1年物)を0.27%ポイント引き上げ5.58%から5.85%とし、併せて主要銀行に対し窓口指導を行った。 為替政策については、05年7月に通貨バスケットを参考とした管理変動相場制に移行した後、05年9月及び06年1月に為替制度改革を実施し、為替相場形成を徐々に市場メカニズムに委ねるような制度変更を実施している。しかし、実際の米ドルに対する人民元レートをみると、05年7月の約2%の切上げ後から06年4月末時点までで1.2%程度の増価にとどまっていること等から、アメリカを中心にさらなる制度柔軟化を求める声が高まっている。


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