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12 オーストラリア   Commonwealth of Australia

オーストラリア経済のこれまで

<2005年の経済>
  2004/05年度(04年7月〜05年6月)の経済成長率は2.4%と、昨年度よりも低下したが、この背景として02年からの段階的な金融引締めによる住宅投資、個人消費等の減速がみられた。05年後半の経済成長率は、一次産品輸出の好調を受けて設備投資が高い伸びを続け景気をけん引する中、雇用環境の改善、所得税減税等を背景として個人消費が底堅く推移し、7〜9月期前年同期比2.5%、10〜12月期同2.7%となった。失業率は05年6〜8月に5.0%となり、29年ぶりの低失業率となった。

<2006年の経済見通し>
  2006年の経済成長率は、2%台後半になると予測される(政府見通し2.5%(05/06年度)、民間機関27社の平均2.8%(06年4月時点))。民間機関の見通しは、半年前(05年10月時点3.0%)から下方修正されている。
  鉄鉱石等の商品価格の高騰を背景とした設備投資の拡大が成長を支え、堅調に推移するとみられる。個人消費についても雇用環境の更なる改善等を背景として緩やかな回復が見込まれる。下方リスクとしては、?今後の商品価格の下落、?消費者物価上昇率が06年1〜3月期には前年同期比3.0%と、オーストラリア連邦準備銀行が設定するインフレターゲット(消費者物価上昇率(総合)前年比2〜3%)の上限にまで達するなど、労働市場の需給及び生産設備のひっ迫によるインフレ圧力の高まり、?金利引上げの継続に伴う多額の債務を抱える家計の利払い負担増による個人消費の更なる減速が挙げられる。

オーストラリアの主要経済指標

<財政金融政策の動向>
  財政収支は、2004/05年度は136億豪ドルの黒字(GDP比1.5%)となった。05/06年度は、06/07年度予算案における見通し(06年5月公表)によると、政府による中間見通し(05年12月発表)から上方修正され、148億豪ドルの黒字(GDP比1.5%)と見込まれている。また06/07年度も、108億豪ドルの黒字(GDP比1.1%)と、5年度連続の黒字が見込まれている。同予算案で示された06/07年度の主要な政策は、歳入面では所得税減税、歳出面では少子高齢化社会に向けた労働力確保のための子育て支援策及び輸出拡大のボトルネックとなっている輸送インフラの整備等がある。減税の内容をみると、家計に対してはガソリン価格の上昇や金利引上げによる個人消費への影響を緩和するための所得税減税は4年連続となり、今後4年間で367億豪ドルの規模となる。企業に対しては、設備投資促進のための減価償却率の引上げが実施される。なお、好調な経済を背景とした税収増に加え、通信会社テルストラの政府持分株式の資産売却益等が政府債務償還に充てられ、政府純債務は06年4月に30年ぶりに解消された。
 金融政策では、オーストラリア連邦準備銀行は06年5月、政策金利(オフィシャルキャッシュレートの誘導目標水準)を05年3月以来14か月ぶりに0.25%ポイント引き上げ5.75%とした。足元のインフレ圧力の高まりを受けた予防的な引締めとなっている。


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