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18 英国 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

<2004年>
イギリス経済のこれまで

<2004年の経済>
  2004年の経済成長率は3.1%となった。良好な所得環境や歴史的に低い水準にある金利、住宅価格上昇による資産価値の増加を背景に消費や住宅投資等の内需を中心に成長し、潜在成長率の2.5%を上回る成長となった。また、公共サービス充実のため政府消費も堅調に増加した。しかし、5回にわたる政策金利引上げの影響等により住宅ブームが鎮静化しつつあることを背景に、年後半には、これまで景気のけん引役だった消費の増加が緩やかになった。

<2005年の経済見通し>
  2005年の経済成長率は、2%台半ばとなる見込みである(民間機関27社の平均2.4%、2005年5月時点)。民間機関の見通しは、半年前(2004年10月時点2.7%)に比べて下方修正されている。住宅ブームの鎮静化を受け、消費の増加ペースがやや緩やかになると見込まれている。一方、企業の財務状況の好転や金融機関の競争圧力の増加等、企業の良好な資金調達環境を背
イギリスの主要経済指標
景に、企業投資は増加すると見込まれること、引き続き強い世界需要から輸出が増加すると見込まれることなどから、成長はよりバランスのとれたものとなる見通しである。失業率は引き続き低水準で推移する見込みである。
  下方リスクとしては、家計債務が増加している(GDP比約90%)なか、急激な利上げやそれに伴う住宅価格の急激な調整があれば消費が抑制される可能性があること、特にユーロ圏向けの輸出について、ユーロ圏経済の先行きに不透明感が増すなか、輸出が減速するおそれがあることなどが挙げられる。

<財政金融政策の動向>
  2004年の財政収支は、税収の減少や、教育、保健・社会保障、交通等公共サービスの充実を目的とした歳出の増加により、GDP比3.1%の赤字となり、2003年の同3.3%に引き続き2年連続で「安定と成長の協定」に定められた3%の遵守基準を上回った。今後の財政収支については、2005年度予算案(2005年3月発表)によると、医療、教育、交通等政府の重点分野についての配慮は続けるものの、財政赤字削減のため、全体的な歳出額の伸びを抑えることにより、赤字は徐々に減少する見通しとなっている。
  金融政策については、イングランド銀行は、政策金利を2003年11月から2004年8月までの間に5回、計1.25%引上げ、4.75%とした後、住宅ブームが鎮静化しつつあることや、消費者物価指数がインフレターゲットの2.0%を下回り安定して推移していることなどを背景に、2004年8月以来、政策金利を4.75%のまま据え置いている。
  ユーロへの参加については、政府は、2003年6月に5つの経済テストの結果を発表しユーロ参加のための経済条件は満たされていないとして、参加の前提となる国民投票の先送りを表明した。2004年3月に一度、ユーロへの参加の再評価の方針決定を先送りした後、2005年3月に発表した2005年度予算案の中で、現時点においてはユーロへの参加の再評価を行わず、2006年春の予算案発表の時期に、状況の進展について再検討すると表明した。
  2006年前半に予定されていたEU憲法批准のための国民投票について、フランス、オランダにおいて国民投票で否決結果が出た後の6月6日、政府は批准手続きの凍結を発表した。


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