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25 国際商品      International Commodities

CRB先物指数の推移 原油価格の推移

 

<国際商品市況の動向>
  国際商品の総合的な値動きを示すCRB(コモディティー・リサーチ・ビューロー)先物指数は、原油高や穀物高を背景に2005年2月下旬以降騰勢を強めている。商品別にみると、大豆やトウモロコシで上昇がみられたが、背景には、需要面で中国の穀物輸入が急増したこと、供給面で、ブラジルやアルゼンチン等南米諸国でのかんばつ等があるとみられている。しかしながら、アメリカ等では2004年が豊作だったことから供給面の影響は一時的なものと考えられる。

<原油価格の動向>
 原油価格は、2004年以降上昇基調で推移し、10月には原油価格の主要指標であるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)スポットの終値で56.17ドル/バレルの、当時としての最高値をつけ、その後もおおむね40ドル台半ばで推移した。この背景には、高成長を続ける中国や、アメリカ等での中長期的な需要の増大、OPEC(石油輸出国機構)の生産余力の減少や、9月にアメリカ・メキシコ湾岸を襲ったハリケーンによる石油関連施設への影響、イラク等の中東情勢不安といった供給懸念、投機資金流入の増大等があった。2004年全体では、WTIスポット価格の平均値は41.51ドル/バレルとなり、2003年の平均値(31.06ドル/バレル)から33.6%上昇した。
 2005年に入り、一服していた原油価格は、アメリカ北東部やヨーロッパにおける寒波襲来や、景気の拡大が続くアメリカ・中国等の需要が引き続き旺盛であることなどから、2月下旬以降騰勢を強め、4月にはWTIスポットの終値で58.28ドル/バレルと過去最高値を再び更新した。


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