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10  マレーシア    Malaysia

マレーシア経済のこれまで

<2003年の経済>
 2003年の経済成長率は、好調な内外需を受けて前年の4.1%から5.2%へと高まり、緩やかな拡大が続いた。低金利に加え、物価の安定を背景に民間消費が底堅く推移した。イラク戦争やSARSの影響による消費者マインドの悪化が懸念されたが、総額73億リンギ(GDP比2.0%)の景気刺激策や中央銀行による金利の低め誘導から民間消費の大幅な落ち込みは回避された。一方、輸出は、前年比8.0%の増加となった。品目別にみると最大輸出品目の電機・電子製品が欧米向けを中心に伸び悩んだが、パーム油、原油や天然ガス等の一次産品や素材関連が中国等アジア向けを中心に増加した。

マレーシアの主要経済指標

<2004年の経済見通し>
 2004年の経済成長率は、5%程度の成長になると見込まれる(政府見通し5.5〜6.0%、民間機関9社の平均5.5%(2004年4月時点))。民間機関の見通しは、半年前(2003年10月月4.9%)よりも上方修正されている。
 成長を支える要因としては、世界景気の回復に伴う輸出拡大により、生産及び所得が増加したことから、個人消費の拡大が引き続き見込まれることなどが挙げられる。
 下方リスクとしては、輸出の50%以上を占める電気・電子製品が伸び悩んでいること、最大輸出国であるアメリカ向け輸出の減少等が懸念される。

<財政金融政策の動向>
 2003年度の財政赤字は209億リンギ(GDP比5.3%)となった。政府は、2004年度予算では従来までの景気刺激的な財政政策を転換し、開発支出を中心に支出の削減を行っている。同予算では財政赤字はGDP比3.3%に低下する見込みである。また、早ければ2006年にも財政収支を均衡させるとの方針を打ち出している。
 金融政策については、2003年5月に景気刺激策の一環として政策金利(3か月物市場介入金利)が5.0%から4.5%に引き下げられたまま据え置かれている。通貨リンギは98年9月以降1米ドル=3.8リンギに固定されている。


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