<ドルの動向>
ドルは2002年に引き続き2003年も減価基調で推移した。アメリカの景気回復期待が高まったことなどからドルが強含む場面も一時あったが、ドルの反転のきっかけにはならなかった。
ドルの減価の要因としては、「双子の赤字」の拡大基調が続いていることや、政策金利が低金利に据え置かれていることから一部の海外諸国と金利差が生じていることなどが挙げられる。
また、9月の先進7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)の声明に為替レートのさらなる柔軟性が望ましい旨が盛り込まれたことも、以降の対ユーロを中心としたドルの減価の要因の一つとなったと考えられる。
2004年以降は、ドルは景気が回復していることなどを背景にやや強含んで推移している。
<ユーロの動向>
ユーロは2002年からの緩やかな増価基調が続き、2003年春に名目実効レートは導入当初の水準に達した。対ドルで見ると、ユーロは2004年に入ってユーロ導入以来の最高値を更新したが、その後弱含み、2004年4月現在1.20ドル/ユーロ付近で推移している。