| ９ タイ The Kingdom of Thailand |
＜2008〜09年の経済＞
2008年の経済成長率は、１〜３月期は前年同期比6.0％、４〜６月期は同5.3％とコメや天然ゴム等の一次産品輸出の好調や個人消費の回復により、暫定政権下における政情不安で失速した07年を上回る成長をみせた。しかし、７〜９月期は同4.0％と世界経済の減速や政情不安の再燃等を背景として、投資や輸出を中心に減速した。また、消費者物価上昇率は７月にピークをつけたが、その後の国際商品価格の下落や政府の消費者支援策（７月）等により８月以降は大きく低下した。こうした中、景気の下振れ圧力の高まりを受け、中央銀行は12月に金融緩和へと方針を転換し、１％ポイントの大幅利下げを行った。
08年通年の経済成長率は、世界経済の減速や８月以降の国際商品価格下落を背景に、一次産品等の輸出が年後半伸び悩み、政情不安の再燃により内需の下振れリスクも高まっていることなどから、４％半ばにとどまると見込まれる（政府見通し4.5％、民間機関７社の平均4.6％（08年12月時点））。また、09年は内外需ともに鈍化するとみられることから、成長率は３％台に減速すると見込まれる（政府見通し3.0〜4.0％、民間機関７社の平均3.4％（同上））。