14 ドイツ Federal Republic of Germany |
<2008年の経済見通し>
<2008〜09年の経済>
2008年の経済成長率は、1〜3月期に暖冬による建設投資の上振れ等から大幅に伸びたが、4〜6月期、7〜9月期には前期比マイナス成長となり、景気後退入りが確認された。景気後退の主な要因は、(1)長期化する個人消費の低迷と(2)世界的な需要の減退による輸出の減少である。消費者が貯蓄性向を高めていることに加え、輸出依存度の高い(07年約47%)ドイツにとって世界的な需要減の影響は大きく、国内外からの受注の低迷を背景に、主力の製造業等で減産や人員削減の動きが広がっている。こうした中、政府は総額800億ユーロの資本注入等の金融危機対策に加え、企業の資金繰り支援等総額500億ユーロの経済対策を発表した(08年11月)。
08年の経済成長率は、年初の上振れはあるものの、年後半の急速な景気悪化により1%半ば程度と見込まれる(政府見通し1.7%、民間機関22社の平均1.4%(08年12月時点)、また、09年は内外需ともにさらに悪化するとみられることからゼロ近傍ないしマイナス成長になることが見込まれる(政府見通し0.2%、民間機関22社の平均▲0.9%(同上))。なお、輸出先の景気悪化が深刻化した場合、輸出や投資の減少を通じてさらに弱い成長となるリスクがある。