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5 台 湾     Taiwan

台湾経済のこれまで

<2007年の経済>
 2007年の経済成長率は5%前後となる見通しである(台湾当局見通し5.5%、民間機関26社の平均4.4%(07年10月時点))。民間機関の見通しは、半年前(07年4月時点4.0%)に比べて上方修正されている。07年前半をみると、経済成長率は1〜3月期は前年同期比4.2%、4〜6月期は同5.2%となり、IT関連財等の輸出の緩やかな増加と民間投資等の内需の堅調な伸びに支えられて景気は緩やかに拡大した。内需をみると、民間消費は、クレジットカード債務の問題が一段落して回復基調にあり、民間投資は、半導体や液晶パネルを始めとするIT関連財の機械設備投資等の増加により堅調な伸びをみせた。輸出は、アメリカ向けは伸び悩んでいるものの、中国や東南アジア向けが伸びを高めており、IT関連財等を中心に増加し、景気をけん引している。年後半は、7〜9月期の成長率は前年同期比6.9%となり、引き続き輸出の高い伸びと堅調な内需により5%超の成長が見込まれる。
 雇用情勢をみると、失業率は4%を下回る水準でおおむね横ばいで推移している。また、消費者物価上昇率については、国際商品価格の高騰を背景に年後半から伸びが高まっているほか、台風被害による農作物等の食品価格の上昇により、総合指数は10月に前年比5.3%と96年8月以来約11年ぶりの伸びを記録した。コア消費者物価上昇率(総合指数から果物、野菜、魚介及びエネルギー項目を除いたもの。)もやや上昇している。

台湾の主要経済指標

<2008年の経済見通し>
 2008年の経済成長率は、4%半ば程度と見込まれる(台湾当局見通し4.5%(07年11月時点)、民間機関26社の平均4.4%(07年10月時点))。引き続き民間消費等の内需が堅調に増加し、輸出は、世界経済の減速等を受けて伸びは鈍化するものの、IT関連財等を中心に緩やかに増加していくものと見込まれる。

<財政金融政策の動向>
 財政政策については、2007年度予算(予算案ベース、以下同じ。)では、歳出が前年比5.9%増の1兆6,638億元、歳入は同9.2%増の1兆5,117億元、財政赤字額は同18.7%減の1,521億元(GDP比▲1.6%)とされており、99年度以降財政赤字が続いている。台湾では公共債務法により、予算編成に際して、政府債務残高を名目GNPの過去3年平均に対し40%内に抑えなければならないため、当局は財政赤字の抑制を図っており、07年度については政府債務残高は同約35.2%とその範囲内に収まると見込んでいる。なお、台湾の07年度の国防予算は、前年度比約30%増の3,115億元と大幅に増加し、歳出に占める割合は18.7%と、社会福祉支出を上回り教育科学文化支出に次ぐ二番目となった。
 金融政策については、物価の安定や低水準にある実質金利を中立的な水準に引き上げることなどを目的として、政策金利(中央銀行再割引率)を3月、6月、9月に0.125〜0.25%ポイントずつ引き上げ、9月には3.25%とした。この結果、利上げは04年10月以来13回連続となる。その間の利上げ幅は合計1.875%ポイントとなり、01年8月以来の高水準となっている。


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