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3 中 国      People's Republic of China

中国経済のこれまで

<2007年の経済>
 2007年1〜9月期の経済成長率は前年比11.5%と高い伸びとなり、景気は拡大が続いている。07年通年でも11%台と、政府目標の8%前後(全人代、07年3月)を上回り、5年連続の二桁の高成長となる見込みである(民間機関26社の平均11.3%(07年10月時点))。民間機関の見通しは半年前(07年4月時点9.7%)に比べ大幅に上方修正されている。個人消費は所得の増加等から増加しているものの、引き続き投資や輸出が経済をけん引している(なお、06年の成長率に対する投資の寄与率41.3%、純輸出の寄与率19.5%。)。固定資産投資は、数次にわたる貸出基準金利の引上げや直接規制等の「マクロコントロール」が強化されたものの、過剰流動性や地方政府の旺盛な投資意欲等を背景に07年に入り再び伸びを高め、1〜10月期(名目)で前年比26.9%増となった。輸出は、輸出増値税還付率の調整等の輸出抑制策が実施されたものの、前年比20%台の高い伸びが続き、貿易黒字は1〜10月期約2,124億ドルと過去最高額を更新した。消費者物価上昇率は、食品価格等の上昇により06年後半から上昇がみられ、3月より政府目標の前年比3%以内を超え、8月以降は同6%台で推移している。(都市部)失業率は03年以降ほぼ横ばいで推移している。

中国の主要経済指標

<2008年の経済見通し>
 2008年の経済成長率は、中国当局によるマクロコントロールの引締め効果、世界経済の減速の影響等から、成長率は07年よりやや鈍化するものの、6年連続で二桁台を維持すると見込まれている(民間機関26社の平均10.3%(07年10月時点))。しかし、投資や消費の高い伸びが続けば上振れする可能性もあると考えられる。他方、下方リスクとしては、賃金上昇等のコスト高による企業収益の悪化、国際商品価格の上昇によるさらなる物価上昇のほか、今後の景気過熱を十分に抑制できない場合には、超過供給の発生等により、中国経済が調整局面を迎え、結果的に成長率が減速するおそれが挙げられる。

<財政金融政策の動向>
 財政政策をみると、2006年度の財政赤字は2,163億元(GDP比1.0%)となった。07年度の財政赤字は2,450億元(同1.2%)と見込まれる。全国人民代表会議(07年3月)においては、歳出に関して、三農問題の解決のほか、社会保障等の民生問題、科学技術等に重点を置くとされた。また同会議において、経済構造の産業高度化や「質」の向上を推進するため企業所得税法が可決され、国内・外資企業の企業所得税率が25%に統一された。ただし、ハイテク、環境等の分野の企業に対しては優遇税率を適用することとした。その他の財政政策としては、5月30日からの株取引にかかる証券取引印紙税率の引上げ(0.1%→0.3%)や、外貨準備を運用する中国投資有限責任公司の資本金の一部とする特別国債(総額1.55兆元)の発行が実施された。
 金融政策については、貿易黒字の拡大等による外貨の流入や人民元に対する介入等により過剰流動性が生じており、中国人民銀行(中央銀行)は、流動性管理の強化、固定資産投資の伸びの抑制、物価の安定維持等を目的として、07年に入り一層の金融引締めを実施し、貸出・預金基準金利を5回、預金準備率を9回引き上げた。為替政策については、05年7月に通貨バスケットを参考とした管理変動相場制に移行した後、為替レートの変動を市場に委ね、基本的に安定した状態を維持しながら、変動幅を拡大させるとしている。しかしながら、人民元は米ドルに対し、05年7月の約2%の切上げ後から約10%の増価にとどまっていることなどから、変動幅のさらなる柔軟化の必要性も指摘されている。
 その他、10月の中国共産党第17回全国代表大会において、一人当たりGDPを20年に2000年の4倍とすることなどが目標として示された。


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