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21 世界貿易     World Trade

世界貿易

<2006年〜2007年の動向>
 2005年の世界貿易(財、数量ベース)は、前年比7.5%増加した。金額ベースでみると、世界輸出は同13.5%増加し10兆3,511億ドル、世界輸入は同13.3%増加し10兆7,342億ドルであった。この背景には、世界経済の回復が継続していることが挙げられるが、原油や天然ガス等の一次産品価格の上昇が貿易額の増加に大きく影響した。
 05年は世界景気がやや減速したことから、特に先進国の貿易の伸びが鈍化し、世界貿易の伸びは前年を下回った。ただ05年末から06年初にかけて世界景気が回復したことを受け、再び増勢が強まっている。IMFの見通しによれば、06年の世界貿易(財、数量ベース)の伸びは前年比9.4%、07年は同7.8%となっており、05年実績を上回ると見込まれている。

主要国・地域の輸出見通し

<各国・地域の動向>
 主要国・地域ごとにみると、アメリカでは、02年前半を底に輸出入ともに増加基調となっている。ただ年々、不均衡は拡大しており、06年1〜3月期及び4〜6月期とも貿易赤字が2,000億ドル超過という高水準で推移している。財別では消費財、地域別では中国向けの寄与が高い。IMFによると、輸出(財・サービス、数量ベース)は、06年は前年比8.3%、07年は同7.1%の増加、輸入(同)は、06年は前年比6.2%、07年は同5.3%の増加となっており、貿易赤字は若干縮小すると見込まれている。
 ユーロ圏では、ドイツが高い競争力から輸出を伸ばす一方、域内の景気拡大による旺盛な需要から、輸入も拡大しつつある。IMFによると、輸出(財・サービス、数量ベース)は、06年は前年比7.4%、07年は同5.3%の増加が見込まれている。輸入(同)については、06年は前年比7.2%、07年は同5.4%となっている。ただし、06年1〜6月期の貿易収支は、財・サービスでは黒字であるが、財のみではすでに赤字となっており、ユーロ高の影響が懸念されている。
 アジアでは02年前半を底に、輸出入ともに急速に回復してきたが、05年は世界景気がやや減速したことから、伸びが一服する形となった。IMFによると、中国・インドを含むアジア地域で、輸出(財、数量ベース)は、06年は前年比16.4%、07年は同15.7%の増加、輸入(財、数量ベース)は、06年は前年比15.0%、07年は同15.9%の増加となっており、ほかの地域よりも高い伸びが見込まれている。引き続き、中国がけん引する構図は不変である。
 また、原油価格上昇の恩恵を受けて、OPEC、ロシア等CIS、ノルウェーといった純石油輸出国では、輸出が伸びているだけでなく、景気が拡大していることを受けて輸入も高い伸びを示している。06年4月に公表された欧州中央銀行の05年年次報告においては、OPEC諸国の輸入増が、EU域内の企業活動を活性化し、個人消費を下支えしたと分析している。

主要国・地域の輸出

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