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4  韓 国     Republic of Korea

<2005年>

韓国経済のこれまで

<2006年の経済>
 2006年の経済成長率は、5%程度となる見込みである(政府見通し5.0%、民間機関27社の平均5.0%(06年10月時点))。民間機関の見通しは、半年前(06年4月時点5.0%)と同程度の水準となっている。
 06年前半の経済は、数次に渡る利上げ等を背景としたウォン増価の影響が懸念されていたが、IT関連財や自動車を中心とした輸出が高い伸びをみせたほか、民間消費等の内需も比較的堅調に推移した。1〜3月期の経済成長率は、外需及び民間消費の増加等により前年同期比6.1%となった後、4〜6月期は、政府の総合不動産投機抑制策を受けて建設投資が減少し、同5.3%と鈍化した。年前半からは鈍化するものの、年後半も輸出や設備投資等に支えられるものと見込まれており、7〜9月期の成長率は同4.6%となるなど景気は緩やかに拡大している。
 なお、政府は10月の北朝鮮の核実験実施発表に伴う地政学的リスクの高まりについて、経済に対する影響は限定的としながらも、依然として今後も留意が必要であるとしている。

韓国の主要経済指標

<2007年の経済見通し>
 2007年の経済成長率は4%台程度になると見込まれる(政府見通し4.6%、民間機関27社の平均4.6%(06年10月時点))。
 堅調な輸出を支えてきた世界経済の減速の影響を受け、外需の伸びが減速すると見込まれる。また、金利の上昇や総合不動産投機抑制策による住宅市場の軟化等が消費マインドにも影響することにより、民間消費を減速させることも懸念されることなどから、06年に比べ成長はやや鈍化するものと見込まれる。

<財政金融政策の動向>
 財政政策については、9月に2007年予算案が編成され、国家予算規模が06年当初予算の222兆ウォンに比べ約7.5%増の238兆5,000億ウォンとなった。部門別の予算では、06年に引き続きR&D(研究開発)分野が前年比10.5%増、少子化と高齢化社会問題に対応して社会福祉分野が同10.4%増、国防費同9.7%増となっており、政府は将来の成長力の確保や国民の基本的なニーズに応えることに重点を置いたと説明している。
 金融政策については、韓国銀行は06年8月10日、2月、6月に引き続き政策金利(コールレート翌日物誘導目標水準)を0.25%ポイント引き上げ、4.50%とした。この背景として韓国銀行は、景気の回復と原油価格の上昇による物価上昇圧力を抑制するためとしている。
 また、8月17日、韓国銀行は06年末に現行の物価安定目標の適用期間が終了することに伴い、07〜09年の同目標を消費者物価上昇率(総合)基準で3.0±0.5%に定めた。参照指標をこれまで採用してきたコア消費者物価ではなく、消費者物価(総合)へ変更したことが特徴であり、より国民生活の実情に近く、多くの国で採用されている指標であると説明されている。


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