第 II 部 世界経済の見通し |
第1章 2007年の経済見通し
4.世界経済の概観
以上の地域別の動向を総合すると、日本にとって関係の深い世界経済全体としては、2006年は3.8%程度と前年をやや上回る成長になると見込まれるが、07年は3.2%程度と、06年をやや下回る伸びになると見込まれる(第1-7図)。また、消費者物価上昇率は06年には前年とほぼ同程度の3.1%程度になると見込まれるが、07年には2.6%程度と06年に比べて若干鈍化するものと見込まれる。
地域別に過去10年間の成長率のすう勢と07年の成長率を比較してみると、成長達成度(07年の成長率/過去10年の平均成長率)はアメリカが0.8程度と鈍化し、北東アジア、ヨーロッパ4では1程度と過去のトレンドに沿った経済成長率を達成することになると見込まれる(第1-8図)。
07年の中心シナリオとしては、アメリカ経済が06年をやや下回る2%半ばの成長となる中で、アジアやヨーロッパは過去の平均的な成長率を実現する姿になると考えられる。