24 世界貿易 World Trade
<2005年〜2006年の動向>
04年の世界貿易(財、数量ベース)は、前年比10.9%増加した。金額ベースでみると、世界輸出は前年比21.2%増加し9兆966億ドル、世界輸入は同22.0%増加し9兆4,683億ドルであった。この背景には、世界経済が着実に回復していることが挙げられるが、原油等一次産品価格の上昇も貿易額の増加に大きく影響した。
04年後半から05年初にかけては、日欧の景気がやや減速したことから世界貿易の伸びは一時的に鈍化したものの、足下では再び増勢が強まっている。IMFの見通しによれば、05年の世界貿易(財、数量ベース)の伸びは7.0%、06年は7.6%となっており、04年実績は下回るものの、引き続きトレンドを上回る伸びが見込まれている。
<各国・地域の動向>
主要国・地域ごとにみると、アメリカでは、02年の前半を底に輸出入ともに増加基調となっている。中国が7月に人民元を対ドルで約2%切り上げたものの、アメリカの対中貿易赤字は拡大の一途をたどっている。IMFによると、輸出(財、数量ベース)は、05年は8.2%、06年は8.8%の増加が見込まれている。輸入(財、数量ベース)は、05年は6.6%、06年は5.9%となっている。引き続き貿易赤字の拡大が見込まれている。
ユーロ圏では、04年には、他地域の伸びは下回るものの輸出入とも回復し、貿易量の回復に貢献した。IMFによると、輸出(財、数量ベース)は、05年は3.5%、06年は5.3%の増加が見込まれている。輸入(財、数量ベース)については、05年は4.1%、06年は5.3%となっている。
アジアでは02年1〜3月期を底に、輸出入ともに急速に回復している。04年には電子機器分野の回復も、輸出の回復に寄与した。IMFによると、中国・インドを含むアジア地域で、輸出(財、数量ベース)は05年に15.6%、06年は15.5%の増加、輸入(財、数量ベース)は、05年に17.8%、06年は17.1%の増加となっており、他の地域よりも高い伸びが見込まれている。このような中で、特に引き続き中国の輸出入の伸びは著しい。輸入は既に世界3位の規模となっているが、04年には、輸出においてもドイツ、アメリカに次ぐ世界3位となった。商務省によれば、05年の貿易量は04年より2,500億ドル増加し、1兆4,000億ドルに達する見通しとなっている。
また、原油価格上昇の恩恵を受けて、OPEC、ロシア等CIS、ノルウェーといった純石油輸出国では、輸出が伸びているだけでなく、景気が拡大していることを受けて輸入も高い伸びを示している。