25 世界のＩＴ部門 World ＩＴ
＜最近の状況＞
アメリカでは、2001年に減少したＩＴ生産は、02年後半から回復に転じ、03年以降は総じて堅調に推移している。内訳をみると、03年後半以降は、通信機器が下げ止まったことに加え、半導体の寄与が大きい。
アジアのＩＴ生産は2000年後半から01年にかけて減少したものの、その後は再び上昇基調が続いている。各国別にみると、台湾・シンガポールの伸びは緩やかなものにとどまっている一方で、韓国は好調に推移している。
世界の半導体売上の推移をみると、ＩＴバブルの崩壊を受けて一時的に成長は鈍化したものの、調整は比較的短期にとどまり、03年からは回復に転じている。内訳を見るとアジア地域の伸びが顕著であり、04年には前年比＋41.3％と世界全体の成長をけん引している。
＜今後の動向＞
従来のＰＣ、通信関連に加え、デジタル家電や携帯音楽プレイヤーなど、一般消費者向けのＩＴ需要の裾野は広がっており、これらを中心にＩＴ製品の需要は増加傾向にある。また、昨年後半からやや伸びが鈍化した半導体売上についても、先行指標といわれる北米半導体製造装置ＢＢレシオが上昇に転じ、05年年央以降、前年比ベースの売上も増加するなど、回復基調が確認されつつある。ＳＩＡ（米半導体協会）によると、05年の半導体売上高は前年比6.8％、06年は同7.9％の成長が見込まれており、ＩＴ関連の設備投資や生産、輸出は06年にかけて増勢を保つとみられる。
