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24 世界貿易     World Trade

世界貿易

<2004年〜2005年の動向>
 2003年の世界貿易(財、数量ベース)は、前年比5.5%増と、2002年に引き続き増加した。背景には、世界経済の回復に伴いIT関連製品が堅調に増加したことなどが挙げられる。金額ベースでみると、世界輸出は前年比17.2%増加し7兆5,353億ドル、世界輸入は同18.4%増加し7兆8,797億ドルであった。先進国では、EUや日本が、途上国では、中国やアジア諸国での伸びが目立つ。
 IMFによれば、2004年の世界貿易(財、数量ベース)の伸びは9.1%、2005年は7.4%となっており、世界貿易は世界の景気動向とあいまって、2004年に増勢のピークを迎え、2005年は増勢をやや緩めると見込まれている。

<各国・地域の動向>
 主要国・地域ごとにみると、アメリカでは、2002年の前半を底に輸出、輸入ともに増加基調となっている。IMFによると財ベースの輸出数量については、2004年は9.0%、2005年は8.1%となっている。また財ベースの輸入数量については、2004年は9.8%、2005年は5.0%となっている。
 また、EUでは財ベースの輸出数量については、2004年は6.3%、2005年は5.8%となっている。特に、2004年はドイツが同10.7%とEUをけん引している。また財ベースの輸入数量については、2004年は5.7%、2005年は5.8%となっている。
 アジア地域では2002年1〜3月期を底に、輸出入ともに急速に回復している。IMFによると、中国・インドを含むアジア地域で、輸出は財ベースの数量で2004年に15.8%、2005年は16.5%増、同輸入は、2004年に18.2%、2005年は17.9%増となっており、他の地域よりも高い伸びが見込まれている。アジア地域は、他の国・地域と異なり、2005年に増勢を緩やかにしていない。また、アジア各国・地域での域内貿易、対中輸出は増加傾向にある。

<急速に伸びる中国の貿易量>
 このような中で、引き続き中国の輸出・輸入の伸びは著しい。2004年1〜3月期の輸出額・輸入額の伸びは、それぞれ前年同期比55.4%、40.9%と高いものとなっている。世界輸出の増分における各国シェアの推移(90〜95年の5年間と直近98〜2003年の5年間との対比)をみても、中国でのシェアの伸びは著しい。また、中国では高成長に伴い、原材料、資本財等の需要が増大しているが、その中で、原油需要のシェアについてみると、他の地域と異なり、今後2004年から2005年にかけてさらにシェアを伸ばすと見込まれているなど、同国の動向には留意が必要である。

主要国・地域の輸出額

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