25 世界のIT部門 World IT
<地域ごとの動向>
アメリカでは、2001年に減少したIT生産は、2001年後半から2002年にかけておおむね横ばいで推移した。2003年後半以降2004年にかけては増加基調で推移している。内訳をみると、2003年後半以降は、通信機器が下げ止まり、半導体、コンピュータの寄与が高い。
アジアのIT生産を各国別にみると、韓国、台湾、タイ、マレーシア、シンガポールでは、2001年におおむね減少したものの、2002年後半以降、2003年前半にかけて緩やかに増加した。2003年後半以降、2004年にかけては伸びが拡大しているが、韓国、台湾では04年6、7月に伸びが鈍化している。
<半導体の動向>
世界の半導体売上の推移をみると、ITバブルの崩壊を受けて2001年、2002年は低迷した。その後、2003年には緩やかに回復し、2004年は、PC、携帯電話、デジタル家電、通信インフラ、自動車等の幅広い分野での需要が拡大していることから、アジア地域を中心として、高い伸びになると見込まれている。
<今後の動向>
世界のIT関連需要の動向をとらえるのに、世界景気のけん引役であるアメリカ、電子部品の生産等で大きな規模を持つ韓国や台湾の動向を把握することは重要である。
2004年後半から2005年にかけて、世界的にIT生産の増勢は鈍化すると見込まれている。韓国、アメリカでは、04年6月に在庫率が上昇しており、既に調整局面に入ったとの見方もある。しかしながら、2001年のITバブル崩壊時と比べ、携帯電話の普及やデジタル家電の拡大・多様化など、製品は多様化していることなどから、調整の影響は大きくないとの見方が多い。