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9 タイ     The Kingdom of Thailand

<2002年>

タイ2002 タイ経済のこれまで

<2003年の経済>
 2003年の経済成長率は、6%程度になるものと見込まれる(政府見通し5.8〜6.2%、民間機関6社の平均5.4%(2003年10月時点))。民間機関の見通しは、春時点(4.3%)に比べ上方修正されている。2003年のタイ経済は前年に引き続き拡大している。1〜3月期の実質GDP成長率は前年同期比6.7%、SARSの影響が懸念された4〜6月期は影響が限定的であったことから5.8%となった。物価の安定を背景とした低金利政策の持続から個人消費や民間投資が増加している。また輸出も拡大しており内外需のバランスのとれた成長となっている。産業別には、自動車や電子・電気関連部品の生産が拡大した製造業が牽引した。また、輸出は、電子・電気関連、自動車関連、農産物が増加しており、中国などアジア向けを中心に拡大した。
 政府は6月に上方修正した2003年の成長率見通し(4.5〜5.5%)を9月にさらに上方修正し5.8〜6.2%とした。

<2004年の経済見通し>
 5〜6%程度の成長になると見込まれる(民間機関6社の平均5.7%(2003年10月時点))。
 成長を支える要因としては、低金利や企業収益の増加、雇用拡大を背景として、個人消費や民間投資が景気拡大を牽引すると見込まれる。加えて世界経済の回復により輸出の拡大が見込まれ、内外需とも良好な状態にある。
 下方リスクとしては、2003年央以降アメリカ向け輸出が弱含んでおり、アメリカ経済の今後の動向によっては、外需の停滞が懸念される。 

タイの主要経済指標

<財政金融政策の動向>
 2003年度の財政については、景気拡大により税収が予想以上に増加したことから、財政赤字は当初予算の1,749億バーツ(GDP比3.0%)よりも大幅に縮小し400億バーツ(GDP比0.7%)となった模様である。
 10月から新会計年度に入り、2004年度(2003年10月〜2004年9月)予算を実施している。歳出総額は、対前年比2.8%増の1兆280億バーツ、財政赤字は42.9%減少(当初予算比)の999億バーツ(GDP比1.6%)を見込んだ。前年度予算で削減された経常経費を2.6%、投資経費を4.4%とそれぞれ増加し、一方前年度予算で大幅に増加された債務元本返済費は2.3%の減少となった。 
 金融政策については、2003年7月に欧米が相次いで利下げを実施したのを受け、投機的な資本流入を防ぐため政策金利である14日物レポ金利を0.5%ポイント引き下げ1.25%とした。為替レートは2003年4月に、アジア地域でのSARSの影響が深刻化する懸念から1ドル=43バーツ台前半まで減価する局面もみられたが、その後は増価基調で推移している。


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