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6 香港     Hong Kong

<2002年>

香港2002 香港経済のこれまで

<2003年の経済>
 2003年の経済成長率は、2%前後(政府見通し2%、民間機関25社の平均1.9%(2003年10月時点))となる見通しである。民間見通しは春時点(2.8%)に比べ下方修正されている。3月後半に流行が確認されたSARSにより4〜6月期の経済は大幅な打撃をうけたが、6月後半に感染地リストから除外されるとともに回復した。
 年後半の動きをみると、貿易の増加と観光業の好調が予想される。6月に中国・香港経済貿易緊密化協定(CEPA)を締結した。この協定において中国本土の一部の地域からの個人旅行が解禁となったことで、本土からの旅行者の顕著な増加が見込まれる。また、貿易面においても、2004年から中国本土への関税の撤廃等有利な措置がとられる。中国の回復と世界経済の好転に支えられて、中国向けを中心に輸出は引き続き堅調となる見込みである。一方、下方リスクとしては、不動産価格の下落、中国本土との価格格差等を背景としてデフレが続いている。また、失業率は過去最高の8.7%に記録しており、今後も相対的にコストの安い中国本土へ企業が流出していく可能性が高く、雇用の急速な回復は見込まれない。

<2004年の経済見通し>
 2004年の経済成長率は、3.5%程度(民間機関25社の平均3.8%(2003年10月時点))となる見込みである。
 CEPAの締結で貿易や観光業が発展し、外需を中心として緩やかな回復は続く見込みである。更に、中国本土との交流が進展することで、国内の消費や雇用も回復する見込みである。下方リスクとしては、中国本土と一層緊密化するため、産業の空洞化は一層進み、賃金、物価の下落に拍車がかかることが考えられる。

香港の主要経済指標

<財政金融政策の動向>
 財政赤字は7月(会計年度開始後3か月)までに447億香港ドル(GDP比3.5%)となり、2003年度の財政赤字見込みの617億香港ドルを超えることが確実となっている。
 3月に発表された2004年予算案では、歳入増加策として、個人所得税、法人税、自動車登録税、空港利用税等の税率を引き上げること、新たに出域税(香港を出国(域)する度に18香港ドルを徴税)等を設けることを予定している。
 一方、香港政府は4月には118億香港ドルのSARS支援策を打ち出し、6月には悪化する雇用情勢に対応するため7億香港ドルの雇用対策を明らかにした。また、総工費160億香港ドルの香港、珠海、マカオを結ぶ大橋建設を計画している。
 3月の2004年予算案では2006年度までに財政収支を均衡させる目標を掲げていたが、8月に唐英年氏が財政官に就任し、従来の目標が現実的ではないとして、棚上げする方針を示した。
 金融政策についてみると、香港金融管理局は米連邦準備制度理事会の政策金利引下げに追随して0.25%ポイント引き下げ2.50%とした(6月26日)。金融サービス面においても、CEPAの締結によって中国本土とのつながりが強化されると予想される。人民元建て預金、人民元オフショア市場、香港証券取引所における人民元建て証券やデリバティブの取引も検討している。また、当局は香港ドルの米ドルペッグ制は維持すると表明している。


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