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2 カナダ     Canada

<2002年>

カナダ2002 カナダ経済のこれまで

<2003年の経済>
 2003年の経済成長率は、2%台前半となる見込みである(政府見通し2.0%、民間機関23社の平均2.2%(2003年10月時点))。民間機関の見通しは、半年前(2003年4月時点3.0%)に比べて下方修正されている。2003年前半のカナダ経済は、1〜3月期は年率2.6%の成長であったものの、4〜6月期は同マイナス0.3%となり、2001年の7〜9月期以来のマイナス成長となった。この要因としては、重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行による旅行者の減少等の旅行業界への影響や、アルバータ州での牛海綿状脳症(BSE)の発生による牛肉や畜牛の輸出の減少、カナダ・ドル高等が挙げられる。しかし、消費が堅調であること、SARSやBSE、オンタリオ州の停電、西部の森林火災等の一時的な景気の押し下げ要因がなくなることから、2003年末以降景気は回復すると見込まれている。

<2004年の経済見通し>
 2004年は回復が強まり3%台前半の成長が見込まれる(政府見通し3.25%、民間機関23社の平均3.3%(2003年10月時点))。
 成長を支える要因としては、家計消費の堅調な推移、企業投資の増加、アメリカやその他海外経済の成長が高まることによる輸出の増加等が挙げられる。
 下方リスクとしては、海外需要の高まりにはその時期とスピードに不確実性があること、米ドル安の動向等為替レートの調整の動きが先行き不透明であることなどが挙げられる。

カナダの主要経済指標

<財政金融政策の動向>
 カナダ政府は94年度から本格的な財政再建に取り組んでおり、2003年度の予算案でも97年度以降連続となる均衡予算を組んでいる。カナダ財務省は10月に、2002年度の財政収支が6年連続の黒字(70億カナダ・ドル程度、GDP比0.6%)であったと発表した。
 消費者物価上昇率は、2003年2月には総合が前年同期比4.6%、コア(変動しやすい8品目を除く)が同3.1%となるなど、前年10月以降、1〜3%のインフレ・ターゲットの目標レンジを上回る水準での推移が続いた。また、内需が堅調であるなど国内経済が順調に推移していたことから、カナダ中央銀行は3月4日と4月15日にオーバーナイト金利を0.25%ポイントずつ利上げし、3.25%とした。しかし、その後消費者物価上昇率は予想以上に低下した。景気の減速を受けて、カナダ中央銀行は7月15日、9月3日と2度にわたって0.25%ポイントずつオーバーナイト金利を引き下げ、2.75%とした。その後、10月15日には2.75%で据え置いた。


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