第2章 第1節
2-1.鉱工業生産からみる動き
(生産は、輸出型産業のけん引により増加したが、年後半はおおむね横ばい)
まずは、2015年の生産動向を概観するために、2012年10-12月期を100とした地域別鉱工業生産指数の動きを四半期ごとにみていく(第2-1-1図)。
2015年1-3月期において、それまで生産増をけん引してきた輸出向けスマートフォン需要の一服感等を背景に、北陸、東海が高水準ながら減少した一方、東北、九州、四国では電子部品・デバイスが、九州、中国、関東、東北では輸送機械などが増加に寄与し、全体として横ばい、もしくは持ち直しの動きがみえはじめた。
しかし、4-6月期に入ると、北陸を除く全ての地域において減少に転じ、生産は弱含みとなった。関東、九州、東海、中国では、国内向け乗用車や軽自動車の不振により輸送機械が減少に寄与し、北海道は、乳製品等の食料品、近畿や四国では一般機械等が減少に寄与した。北陸については、電子部品・デバイスが引き続き増加に寄与したものの、一般機械、化学等が減少に寄与した。
7-9月期には、北海道、四国の生産は横ばいとなる一方、九州、関東、東北等は減少した。九州、関東、四国で輸送用機械が減少に寄与したほか、海外向けスマートフォン需要の減少等により、九州、東北、東海、中国で電子部品・デバイスが減少に寄与したこと等により、全体として、横ばい、もしくは弱含みの動きとなった。
10-12月期に入ると、東海で電子部品・デバイスや輸送機械が増加に寄与し、持ち直しの動きがみられたが、その他の地域は引き続き、横ばい、もしくは弱含みとなった(第2-1-2図)。
これまで、円安の進行や海外需要の増加等に伴い、電子部品・デバイスや輸送機械などの輸出型産業の主導によって生産を増加させていたが、2016年初の段階では全体として横ばいとなっている。