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第2章 東日本大震災からの復旧・復興

未曾有の地震、津波、そして原子力災害等、我が国に大きな被害をあたえた2011年3月11日の東日本大震災から1年半以上が経過した。岩手県、宮城県、福島県は被災3県と呼ばれ、地震による被害や津波による被害が特に大きかっただけでなく、原子力災害等を通じてこれまで誰も経験したことのない状況に遭遇し、これまで誰も経験したことのない困難な復旧・復興事業に取り組んでいる。その甚大な被害のために、復旧・復興事業には多くの時間を必要とする。被災地の「景気」についていえば、企業の生産活動は公共工事や資金繰り支援策等に支えられいったんは回復し、消費活動はボランティアや工事関係者などに下支えされ底堅く推移し、雇用環境も一部でミスマッチが残るもののサービス業を中心に改善してきている。しかしながら、がれき処理では、広域処理必要量の3分の2がいまだに受入予定がないほか、被災農地では2012年度末でも半数以上が営農再開に至らないなど、経済や生活の確固たる基盤を再生するという意味での復旧・復興は緒についたばかりである。その際、全国的にも人口減少、高齢化が進んでいた被災地ではあわせてこれらへの対応も急務となっている。復興が成し遂げられたあかつきには、被災地は今後の日本社会の在り方にとって、一つのモデルとなろう。

本章では、主に次のような点について検討する。第1節では、国や被災自治体の復旧・復興体制、被災地における復旧・復興の状況を概観する。多くの機関が関与する取組の現状をまとめ、復興庁を中心とする行政の体制や取組と土地・インフラ等の復旧状況を1節で確認する。第2節では、被災地の経済動向について、公共投資、産業、雇用、家計の順に、被災3県を比較しながら考察するとともに、特に回復が遅れている分野についても言及する。第3節では、復興計画の推進状況等について「集積のメリット」の追求という考え方に焦点を当てつつ点検する。

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