第2章 未来への投資につながる地域発の動き

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2008年秋以降、急速に景気が悪化したが、2009年春以降になると、中国等のアジアを中心とする海外経済の持ち直しや政府の経済対策の効果が現われてきて、足元ではようやく持ち直しの動きがみられる地域が広がりつつある。しかし、経済活動の水準は依然として低く、雇用情勢は、統計で比較可能な過去45年間程度でみると、最も厳しい状況にある地域も多い。このように、地域経済を取り巻く情勢は依然として厳しいものであるが、中長期的に安定的・持続的な成長を確保するため、未来に向けてさまざまな取組が進められつつある。なかでも、地域資源や地域の独自性を核にした成長の萌芽が、「環境」や「農業」といった分野で現れつつある。

第1節においては、各地域で設備投資が大幅に落ち込む中、環境関連や資源開発関連の分野で増加がみられる企業の戦略的な投資の動き、第2節においては、温室効果ガスの排出削減に向けた環境分野における地域発の動き、第3節においては、新たな付加価値の創造に向けた農業分野における地域発の動き、そして、第4節では、中山間地域や農林漁村等も豊かな自然を有することを強みに、それをさまざまな地域資源と組み合わせることで成長につなげようとする動きについて述べる。

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