地域の経済 2007
−自立を目指す地域経済−
平成19年11月
内 閣 府 政 策 統 括 官 室
(経済財政分析担当)

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  2.地域ブランドの具体化

 06年4月に改正商標法が施行され、地域名と商品・サービス名からなる商標(いわゆる「地域ブランド」)を、通常より早い段階で登録を受けることが可能となった。複数都道府県に及ぶほどの周知性を獲得した場合には、地域団体商標24として登録を認められるようになり、指定商品(サービス)について、登録商標を使用する権利を占有することができたり、他人による使用について、差止請求や損害賠償請求をすることが可能となった。

 07年6月29日現在で、登録件数は239件となっている。都道府県別にみると、京都府が36件と最も多く、次いで石川県(18件)、岐阜県(12件)、兵庫県(11件)、北海道(9件)となっている。一方で茨城県、栃木県、香川県、長崎県では登録が1件しかなく、地域によって、取組みに差がみられる(第3−5−3表)。

第3−5−3表 都道府県別の地域ブランド数

京都府 石川県 岐阜県 兵庫県 北海道 東京都 和歌山県 鹿児島県 静岡県
36 18 12 11 9 8 8 8 7
沖縄県 神奈川県 大阪府 福岡県 山形県 愛知県 三重県 広島県 愛媛県
7 6 6 6 5 5 5 5 5
佐賀県 大分県 千葉県 新潟県 長野県 熊本県 青森県 福井県 滋賀県
5 5 4 4 4 4 3 3 3
高知県 岩手県 宮城県 秋田県 福島県 群馬県 埼玉県 山梨県 奈良県
3 2 2 2 2 2 2 2 2
島根県 岡山県 山口県 徳島県 宮崎県 茨城県 栃木県 富山県 鳥取県
2 2 2 2 2 1 1 1 1
香川県 長崎県 合計  
1 1 239

 商品・サービス別にみると、いわゆる「ブランド牛」に対する登録が17件と最も多く、温泉が13件、お茶が7件となっている(第3−5−4表)。ある民間会社が全国のうまいものをプレゼントするキャンペーンにおいても、47都道府県中14県で牛が挙げられている。

第3−5−4表 主な商品・サービス別の地域ブランド数(降順)

牛(全国計14件)
順位 都道府県名 件数
1 岩手・宮崎 2
2 秋田・山形・群馬
岐阜・三重・滋賀・兵庫
島根・岡山・佐賀
1
温泉(全国計13件)
順位 都道府県名 件数
1 石川 5
2 福島・神奈川・長野・岐阜
滋賀・兵庫・鳥取・熊本
1

菓子(全国計7件)
順位 都道府県名 件数
1 京都 4
2 岐阜 2
3 埼玉・千葉・佐賀・長崎 1

茶(全国計7件)
順位 都道府県名 件数
1 静岡・鹿児島 2
2 神奈川・三重・京都 1

酒(全国計7件)
順位 都道府県名 件数
1 大分 2
2 新潟・兵庫・広島・熊本
沖縄
1

みかん(全国計6件)
順位 都道府県名 件数
1 和歌山・愛媛 2
2 静岡・広島 1

梨(全国計5件)
順位 都道府県名 件数
1 千葉 2
2 山形・東京・佐賀 1

味噌(全国計5件)
順位 都道府県名 件数
1 宮城 2
2 東京・石川・京都 1

(備考) 特許庁公表資料により作成。07年6月29日時点。第3-5-4表は工芸品・工業製品等は除く。

 ブランド化を進めるに当たっては、その販路の確保も重要である。インターネットの普及によって、地方から直接販売を行うことは容易になってきたにせよ、商品の良さを知ってもらい、全国区の知名度を確保するためには流通業界のバイヤーとのマッチングが必要である。また、ブランド牛の中でも価格差があるように25、地域ブランドの獲得は、あくまで一里塚的なものであり、いかにして差別化を図っていくかが重要と言える。

24. 改正商標法により、事業協同組合等に認められることになった。通常の「団体商標」とは、事業者を構成員に有する団体が、その構成員に使用させるための商標について登録を受けることができる制度。
25. 例えば、都内のある百貨店のお歳暮に出品している和牛専門店では、A牛550g(すき焼き用肩300g、肩ロース250g)税込み10,500円に対し、B牛500g(すき焼き用肩200g、肩ロース320g)税込み21,000円という価格設定をしている。

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