第1章 第2節 コラム:タクシー運転手の状況:規制緩和の影響はみられるのか

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タクシー運転手は規制緩和の影響を受けて、厳しい状況にあると言われている。これをデータで検証してみる。

需給調整規制が撤廃される前の01年と06年とで、タクシー運転手の時間当たりの賃金を比較してみると、大多数の県では5年前より低下している(第1-2-33図)。これには労働時間の増加よりは、賃金の低下が寄与している。

第1-2-33図 タクシー運転手の時給の変化
-31道府県で減少-

第1-2-33図

(備考) 1. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」により作成。
2. 時給=きまって支給する現金給与額/実労働時間

タクシーの台数は01年度から05年度にかけて、全国で6.5%増となっており、35都道府県で増加している(第1-2-34図)。しかし、総営業収入が増えないなかで、日車営収(1台当たりの日当収入)は減少しており、厳しさがうかがえる。ここで日車営収の増減を車両数の要因と総営業収入要因に分解してみると、車両数の増加よりも、総営業収入の減少のほうがより大きく日車営収の低下に影響している県が多い。タクシーの台数の増加が規制緩和に起因するものとみなすと、規制緩和が1台当たりの収入の低下にある程度の影響を与えていることも否めないが、総営業収入(需要)の減少の影響の方がむしろ寄与が大きい。なお、総営業収入が増加している県は、経済の好調な宮城県、南関東の4県、愛知県、三重県、滋賀県、徳島県のみとなっている。(第1-2-35図)。

第1-2-34図 タクシー車両数
-35都道府県で増加-

第1-2-34図

(備考) 1. 社団法人全国乗用自動車連合会提供資料により作成。
2. タクシーは、法人、一般タクシーで、ハイヤー、患者等輸送限定車両は除く。

第1-2-35図 タクシー日車営収の増減寄与度(01→05年度)

第1-2-35図

(備考) 1. 社団法人全国乗用自動車連合会提供資料により作成。
2. タクシーは、法人、一般タクシーで、ハイヤー、患者等輸送限定車両は除く。
3. 日車営収=総営業収入/延べ実働車両数
4. 延べ実働車両数は、営業運行を行った事業用自動車の延べ車両数を指す(休車車両は除く)。

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