第1章 第2節 2.変動係数でみる地域間のばらつき

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まず、経済指標を用いて、その変動係数で地域間のばらつきをみてみよう。鉱工業生産指数のばらつきは今回の回復局面が最も大きくなっている。有効求人倍率のばらつきはむしろバブル期のほうが大きくなっている。いずれについても、今回の回復局面では、変動係数が期を追うごとに大きくなっており、ばらつきが拡大している。

次に、内閣府「地域経済動向」で過去の回復局面における地域別の景況判断をみてみよう。過去の回復局面における景気判断をみると、地域間で均質的な状況がみられる。

バブル期の絶頂期(91年1-3月期が四半期景気の山)においては、「緩やかに拡大している」と「着実に拡大している」の2つの表現しか使われていなかった。

90年代中ごろの回復局面においても、その山の頃(97年4-6月期)には、「緩やかながら回復の動きを続けている」と「回復の動きを続けている」という2つの表現のみ使用されている。景気の谷の頃には、「低迷している」から「回復に向けた動きに足踏みがみられる」まで4段階の表現が使われており、回復が進むにつれて、各地の動きは足並みが揃ってきたと言える。

それに対して、今回は戦後最長の回復局面が続いているにもかかわらず、07年8月現在、「力強く回復している」東海から、「持ち直しの動きが緩やかになっている」北海道まで5段階に分かれている。02年1-3月期の谷の頃には、「悪化のテンポが緩やかになっている」から「大幅に悪化している」まで4段階の表現が使われていたことを考えると、回復局面入りしたころと比較して、むしろ、その差が広がっているようにも見える(第1-2-3図)。

第1-2-3図 過去の判断レーダーチャート

第1-2-3図

(備考) 内閣府「地域経済動向調査」により作成。

経済データの変動係数をみても、景気判断をみても、今回の回復局面は、ばらつきが縮小しないという特徴を持っていると言えよう(第1-2-4図)。

第1-2-4図 過去の回復局面との比較

第1-2-4図

(備考) 1. 各経済産業局「地域別鉱工業生産指数」、厚生労働省「一般職業紹介状況」により作成。
2. 変動係数(t期) = 地域間の標準偏差(t期) / 地域間の平均値(t期)×100
3. 地域区分は、以下のとおり。 鉱工業生産指数:北海道、東北、関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州 有効求人倍率:北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄
4. 地域別有効求人倍率の季節調整値は内閣府で試算。

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