第2章 <コラム> 新空港開港後の利用状況

[目次]  [戻る]  [次へ]

昨年から今年にかけて新空港が3つ開港した。その後の利用状況をまとめてみる。

05年2月開港の中部国際空港は、愛知万博の効果もあり、05年度利用者数は当初目標の1,200万人を超え約1,235万人となった。06年度も同様目標としているが、万博の反動等からか前年よりやや減少傾向となっている。

06年3月開港の新北九州空港は、年間100万人の利用を目安としており、開港後半年間の利用者数は約66万人、国内線平均搭乗率は58.2%となっている。那覇路線は平均67.8%と高いが、名古屋路線は平均51.4%にとどまっている。東京路線は利用者数が旧北九州空港の前年同時期の約3.7倍と増加しているものの、平均搭乗率は57.4%となっている。

06年2月開港の神戸空港は、9月までの平均搭乗率が64.0%、この間の利用者数が約171万人となっており、開港当初の年間需要目標319万人の達成が危ぶまれている。

アンケートによると、那覇、新千歳路線は神戸市・周辺の居住者の利用割合が81.9%、61.6%と高く、観光が目的の利用者が多い。一方、羽田、仙台路線等は就航先の居住者との割合がほぼ半分で、ビジネス等での利用者が多い。今後の利用について、観光客は31.1%が年1回程度、ビジネス客は32.1%が月1回程度またはそれ以上の頻度と回答している。

なお、新空港と競合する新幹線は、神戸空港、新北九州空港の開業による影響もあるが堅調に推移しているとのことである。

以上のように新空港はやや苦戦しているところもあるが、能登空港のように3年連続で目標搭乗率を達成しているところもあり、引き続き利用者の掘り起こしに向けた様々な工夫をしていく必要がある。

図1 主要空港利用者数と新空港の利用者目標 図2 中部国際空港の利用者数
図1 図2
図3 新北九州空港の搭乗率 図4 神戸空港の搭乗率
図3 図4
(備考) 航空振興財団「数字でみる航空」、中部国際空港株式会社「中部国際空港実績一覧」、北九州市港湾空港局報道発表資料、神戸市みなと総局「神戸空港利用状況」より作成。文章中のアンケートは神戸空港利用推進協議会実施「神戸空港利用者アンケート調査」。

[目次]  [戻る]  [次へ]