第1部 地域経済の回復の現状 <要約>
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1.景気判断の推移
- 06年11月現在、「回復」以上の表現を使っている地域は全国11地域中7地域、一方、一部の地域では景況感が持ち直しにとどまっているなど、ばらつきがみられる
2.企業部門の回復
- 生産の回復、05年後半に踊り場状態を脱却、再び電子部品・デバイス工業が生産のけん引役に
- 地域でも進む「3つの過剰」(=設備、雇用、債務の過剰)の解消
-設備過剰感は景気の谷と比較して、全地域で解消方向に向かう、06年度の設備投資計画は多くの地域で前年超え
-雇用は、直近では、北関東~中国と九州の7地域で不足感がみられる
- 厚みを増す地域の成長企業
-成長企業数は、02年と05年を比較して、全体で43.7%増、製造業が2.3倍、金融保険業が+84.7%等多くの業種で増加
- 中小企業の景況感は景気の谷(02年1-3月期)と比較して全地域で改善、
ただし、水準は未だ水面下、一方で人手不足感が強まっている
3.家計部門への波及は進んでいるか
- 雇用への波及
-今回復局面は、90年代以降の景気回復局面で、唯一全地域で失業率が低下
- 個人消費への波及
-05年末から06年初頭にかけての厳冬で冬物が記録的売行き、加えて高額品も堅調に
-外食や国内旅行は底堅い
-夏以降、個人消費にやや弱さがみられるとともに、一部の地域で雇用の改善傾向に頭打ち感
4.ばらつきを伴う回復
- 景気の谷からの各指標の改善度をみると、ばらつきはあるものの多くの地域で改善、
なお、過去の回復局面においても、ばらつきは常に存在
5.先行きに対するいくつかの視点
- 景気ウォッチャー調査の先行き判断DIはこのところ低下傾向
- 家計部門への波及の弱まり、原油・原材料価格の高値継続の影響、自動車産業の行方
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