第2章 地域別にみた経済情勢 コラム2-2年齢別・性別にみる九州の雇用情勢
<コラム2-2>年齢別・性別にみる九州の雇用情勢
九州の雇用情勢は、厳しい状況が続いている。2003年4-6月期の九州(沖縄を含む。以下同様)の完全失業率は、全国を1.1ポイント上回る6.6%となり、記録の取れる83年以降、過去最悪となった。特に男性の失業率は7.1%に達している(第2-2-5図)(19)。
九州における2001年以降の男女別の雇用者数の推移をみると、女性は前年比で増加を維持しているのに対し、男性は2002年1-3月期以降、前年比で減少を続けている。また同年4-6月期の男性雇用者数は、全国に比べて減少率が大きい(第2-2-6図)。 2003年4-6月期の雇用者数の前年同期差を年齢別にみてみると、女性は45歳以上の区分で増加しているのに対し、男性は、15~24歳と45~54歳の区分で特に減少している(第2-2-7図)。
労働力人口の動きをみると、男性は2003年に入ってから増加に転じており、同年4-6月期においては、女性とほぼ同じ増加率となっている(第2-2-8図)。このように、労働力人口の増加に対し、男性雇用者の減少していること(特に15~24歳と45~54歳の区分)が、九州の失業率悪化の背景にある特徴の一つと考えられる。
最近の九州経済の状況をみると、鉱工業生産は緩やかに増加し、有効求人数が伸びているなど持ち直しの動きが続いているが、それが今のところ雇用にはつながっていない。