第1章 第1節 産業集積メリットの活用に向けた動き 2.

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2. 政府による地域再生に向けた取組

地域産業の再生の手段として、イノベーションを促進するクラスターのメリットが認知され、日本においても産業集積をクラスターに転換する動きが始まっている。

まず、地域の経済産業局を結節点として産学官の広域的な人的ネットワークを形成し、世界に通用する新事業が展開されるように企業を支援する「産業クラスター計画」が2001年に立ち上げられた。また、地方自治体の主体性を重視し、大学等公的研究機関を核とする研究開発型企業等の結集を目指す「知的クラスター創成事業」も2002年にスタートしている。これらのクラスターが相互に連携を取ることにより、クラスターの連結体としての「地域クラスター」が形成され、イノベーションが促進されることが期待されている(第1-1-1表、第1-1-2図)。

産業クラスター計画  

さらに、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002(2002年6月25日閣議決定)において、経済活性化戦略の一つとして「地域力戦略」が盛り込まれた。具体的には、1)地域限定の構造改革を行うことで、地域の特性が顕在化したり、特定地域に新たな産業が集積するなど地域の活性化にもつながる「構造改革特区」の導入、2)世界への情報発信力、交流・物流のハブ、文化・芸術、国際的資金仲介力といった機能を兼ね備え、生活空間として質の高い環境を有する国際競争力のある大都市の再生、3)特色ある地方の大学や研究所を核として、地域経済を支え世界に通用する特色ある事業の拡大、4)地方が「自助と自立の精神」の下、多様な資源を生かし、知恵と工夫の競争を通じて、個性ある地域、特色ある地域産業の形成、などの方針が示されている。

このうち、1)の構造改革特区については、構想から約1年で制度が発足し、これまでに計166件の計画が認定され(2003年10月24日時点)、各地で具体的な取組が開始されている。また、全国53地域を都市再生緊急整備地域に指定するなど、一連の都市再生関連施策が推進されている。

このような政府の方針もあって、さまざまな形態の組織がビジネス支援、連携支援、そして地域集積の活性化に動いている。その中には、社団法人や財団法人などの連携推進組織をはじめ、技術移転機関(TLO)、大学及び関連機関、起業家育成施設(ビジネス・インキュベータ)、各種研究所、民間企業団体、地方自治体、地方出先機関など多様なものが含まれている。

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