地域経済レポート2001の公表にあたって

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<公共投資依存からの脱却と雇用の創出>

地域経済レポートは、地域経済の総合的な把握と、問題点の指摘を目的としたもので、旧経済企画庁調査局により1987年に初めて刊行され、2000年までに計13回発行されました。今回は、内閣府に移行して初めてのものになります。

2000年度には、各地域において企業部門を中心に緩やかな改善が続き、景気は自律的回復に向けた動きを続けていました。ところが、2001年に入ると輸出の減少からIT関連産業を中心に生産の減少が始まり、地域経済はその影響を受けて弱含み、2001年秋においても引き続き悪化しております。地域によっては、生産の減少と雇用情勢の悪化が大きく、景況が大幅に悪化した地域もあります。

そうしたなかで、政府は2001年6月に「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」を閣議決定し、日本経済の再生のための構造改革を着実に実行しつつあります。「基本方針」は7つの改革プログラムを含んでおりますが、そのひとつが、「地方自立・活性化プログラム」であり、個性ある地域の発展と地方の活性化を目指しております。

今回の地域経済レポートにおいては、地方の自立と地方財政の健全化という目標を実現する手段として「公共投資依存からの脱却と雇用の創出」をテーマとして取り上げました。これを実現するにあたり、公共投資縮減の地域経済への影響を詳細に検討する必要があります。また、それに対応して地域経済の発展と雇用の創出への道筋を考案する必要があります。本レポートでは、このような点について分析を行っております。

このレポートにおきましては、公共投資の縮減を補うだけの新市場と新規の雇用が地域経済に創出されるように、また雇用のミスマッチが縮小するよう地域経済の発展戦略をいくつか提示しておりますが、これからも各地域における各層の主体的な創意工夫を期待いたします。

平成13年11月16日

内閣府政策統括官(経済財政-景気判断・政策分析担当)
岩田 一政

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