MPAのレビューに関する共同報告
日本国政府及びアメリカ合衆国政府は、1990年5月に開始された特例措置に関するレビューを終了し、次のとおり共同報告を作成した。
- 日本国政府は、特例措置の表明以来、誠実に特例措置を実施している。特例措置対象プロジェクトの各発注機関は、関心を有する供給者のために窓口を設置した。建設省及び運輸省は、外国企業のアクセスを促進するための組織を整備した。
- 1987年以降、12社の米国企業が日本の建設業許可を取得した(別添1)。合計で32社が許可を取得し、14社が土木及び/又は建築の許可を取得しており、18社が機械器具設置、電気工事業等の専門工事業の許可を取得している。また、8社が1級建築士事務所登録を行っている。特例措置対象プロジェクトにおける米国企業の調達実績は、1991年4月までに598億円(4億3,700万ドル)にのぼっている。この数字には、特例手続対象外の物品調達も154億円(1億1,300万ドル)含まれており、大部分は対象プロジェクトの元請が購入した建設機器である(別添2)。日本建設業団体連合会及び米国エンジニアリング・建設協会の会合、日建連による外国企業向けセミナーの開催並びに米国企業8社の日建連への加盟にみられるように、日米建設業界間の意見交換の場も増加してきている(別添3)。この3年間で米国企業の日本の建設市場への参入は著しく増加してきており、多くの受注実績を上げている。
- 米国企業は、相当の努力を行ってきており、また、日本に事務所を設置し、許可を取得し及び調達に参加するための実質的な投資を行ってきた。対象プロジェクトのうち調達が開始された104件のうち、米国企業は、39件に応募し、27件で契約を獲得している(別添4)。
- 特例措置を契機として、米国企業は、日本全土の建設市場に参入しており、リゾート開発及びオフィスビルといった分野で受注に成功している(別添5)。知り得た範囲では、これらの受注実績は336億円(2億4,500万ドル)にのぼる。
- 前記のとおり、特例措置は、外国企業が日本の建設市場に習熟し、日本の建設市場へのアクセスを増加させるとの所期の目的を実現するために十分役立っている。
- 別添1
- 日本で許可を取得した米国企業
- 別添2
- 米国企業の受注実績
- 別添3
- 日米建設業界間の関係
- 別添4
- 特例措置対象プロジェクトへ参加するための米国企業の応募状況
- 別添5
- 特例措置対象外のプロジェクトにおける米国企業の受注例