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月例経済報告

―景気は、悪化しつつある―

平成13年6月14日

内閣府


先月からの主要変更点


 
月例経済報告

平成13年6月

総論

(我が国経済の基調判断)

景気は、悪化しつつある。


先行きについては、在庫の増加や設備投資の弱含みの兆しなど、懸念すべき点がみられる。

(政策の基本的態度)

 政府としては、6月末を目途に経済財政諮問会議において「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(仮称)」を取りまとめ、不良債権の最終処理、21世紀の環境にふさわしい競争的経済システムの構築、財政構造の改革等の経済・財政の構造改革を断行する。
 



各論

1.消費・投資などの需要動向                     
 平成13年1-3月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は、公的固定資本形成がプラスに寄与したものの、民間企業設備、民間住宅、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)がマイナスに寄与したことなどから、前期比で0.2%減(年率0.8%減)となった。また、名目GDPの成長率は前期比で0.6%増となった。
 なお、平成12年度の実質GDPの成長率は、0.9%増となった。

個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。

 需要側統計である家計調査でみると、平成13年3月にマイナスに転じた実質消費支出は、先月より減少幅は縮小しているものの、2ヶ月連続の減少となった。
 また、家計調査をベースに、振れの大きい高額消費を除外し、別途供給側の統計を用いるなどしてマクロの消費動向を推計した消費総合指数(需要側)についても、減少幅は先月より縮小しているものの2ヶ月連続で減少しており、足元で弱い動きがみられる。
 販売側統計をみると、改善の動きがみられていた小売業販売額はこのところ減少している。百貨店では営業時間の延長などの影響もあり明るい動きがみられるものの、百貨店販売額やチェーンストア販売額は、依然として弱い動きが続いている。
 耐久消費財についてみると、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要もあり好調に推移していた家電販売金額は、パソコンの大幅な減少などにより前年を下回った。なお、3月販売分の一部が4月に計上されたこともあり、予想された駆け込み需要の反動減はみられなかった。新車販売台数は、稼働日数が増加したことから5月は前年を上回ったが、依然として伸び悩んでいる。
 旅行は、国内旅行は前年をやや上回ったものの、海外旅行は下回っており、総じてみると引き続き減速感がみられる。
 こうした需要側と販売額の動向を総合してみると、個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。
個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、特別給与の増加により現金給与総額は微増となったものの、定期給与をみると4ヶ月連続で減少しており、弱い動きが続いている。


設備投資は、頭打ちとなっている。産業別にみると、製造業は堅調に増加しているものの、非製造業では弱含んでいる。

設備投資は、平成11年末に持ち直しに転じて以降増加基調が続き、これまで景気を支える要素であった。しかしながら、「法人企業統計季報」でみると、1-3月期の設備投資は、製造業は堅調に増加しているものの、非製造業では前年比減少となり、全体として頭打ちとなっている。また、機械設備投資の参考指標である資本財出荷は、このところ弱含んでいる。
設備投資の今後の動向については、日銀短観の平成13年度設備投資計画において非製造業を中心に減少が見込まれていること、機械設備投資の先行指標である機械受注が1-3月期は前期比マイナスとなっており4-6月期もほぼ横ばいの見通しとなっていることなどからみて、弱含みの兆しがみられる。
 
住宅建設は、弱含みとなっている。
  住宅建設は、平成11年以降おおむね年率120万戸前後で推移してきたが、このところ弱含んでいる。年初来の動きをみると、1月、2月と2ヶ月連続で減少した後、3月は一旦水準を戻したが、4月は公庫持家が対前月比で約19%減少したのをはじめ、持家、貸家、分譲住宅の全てが対前月比で減少したことから、年率113.7万戸となった。
先行きについてみると、住宅金融公庫融資の申し込み戸数が減少していることなど、住宅着工を減少させる要因が引き続きみられる。
公共投資は、総じて低調に推移している。
公共投資は、総じて低調に推移している。平成12年度の公共事業関連予算は、国の補正後予算が比較的高水準であった前年度を下回り、地方も厳しい財政状況から投資的経費を抑制する動きが続いている。このような状況を反映して、工事の前払金保証契約実績に基づく公共工事請負金額は、昨年6月以降3月まで継続して前年を下回っていた。また、年度末にかけて発注が集中する1-3月期の受注には、前年を大きく下回る指標がみられた。
新年度に入り、4月には大手50社の受注額が前年を上回ったほか、請負金額もおよそ1年ぶりに前年を上回ったが、これらには前年度当初の発注が5月以降にずれ込んだために、前年4月の水準が大きく落ち込んでいたことなどの影響が考えられる。また、年度当初は発注額が比較的小さく、前年比が振れやすいことにも留意する必要がある。
4-6月期の公共投資については、平成13年度当初予算における国の公共事業関係費については前年度とほぼ同額を確保していること、地方の投資的経費の削減幅が前年度に比べて縮小していることなどから、1-3月期のように前年を大きく下回ることはないものと考えられる。
輸出輸入は、ともに減少している。貿易・サービス収支の黒字は、おおむね横ばいとなっている。
 輸出は、アメリカやアジアの景気減速を背景として、半導体等電子部品などの電気機器を中心に減少している。地域別にみると、アジア、アメリカ、EUのいずれの地域向けも減少している。
輸入は、IT関連需要の鈍化を背景に、半導体等電子部品などIT関連財を中心とした機械機器が減少しており、全体としても減少している。アジアNIEsからの輸入が機械機器を中心に減少、アジア全体としてもやや弱含んでおり、アメリカ・EUからの輸入は、足元で減少している。
国際収支をみると、昨年秋以降、輸出数量の減少などから減少してきた貿易・サービス収支の黒字は、輸入数量の減少などからこのところおおむね横ばいとなっている。


2.企業活動と雇用情勢                         

生産は、引き続き減少する中で、在庫が増加している。

鉱工業生産は、平成11年初めの景気回復初期から増加基調を続けてきたが、平成12年秋頃から増加のテンポが緩やかになり、今年に入ってから減少が続いている。輸出の減少等により、IT関連品目の生産が減少していることが主因である。
 生産の先行きについては、5月は増加、6月は減少が見込まれているが、この見込み伸び率どおりに推移した場合、4-6月期も前期比減少となることには留意しておく必要がある。また、電子部品や化学、鉄鋼等の生産財を中心に在庫が増加していることも、生産の先行きに関して懸念すべき点である。
 一方、第3次産業活動の動向をみると、サービス業を中心に、このところ緩やかに増加している。
 
企業収益は、これまでの高い伸びが鈍化している。また、企業の業況判断は、製造業を中心に急速に悪化している。倒産件数は、やや高い水準となっている。
 企業収益は、平成11年以降改善しており、特に平成12年半ば以降は大幅な改善が続いていた。今回の改善の背景としては、企業のリストラ努力が挙げられるが、製造業において売上高が伸びていることや、非製造業において平成12年初までは変動費を削減してきたことも大きく寄与していた。しかし、日銀短観によると平成12年度下期から平成13年度上期にかけて伸びが鈍化する見込みとなっており、「法人企業統計季報」によると平成13年1-3月期における経常利益は前年同期比横ばいとなった。
企業の業況判断については、日銀短観をみると、電気機械を中心に製造業で急速に悪化するなど、大企業・中小企業、製造業・非製造業の別を問わず悪化がみられる。また、「法人企業動向調査」で業界景気の判断をみると、製造業、非製造業ともに悪化している。
 また、4月の倒産件数は、東京商工リサーチ調べで1,575件となるなど、やや高い水準となっている。


雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。

 完全失業率は、4月は前月比0.1%上昇し4.8%となった。        
また、雇用情勢の先行きを懸念すべき動きが引き続きみられる。新規求人数は、前月比では1月から3ヶ月連続で減少し、4月は増加となった(4月前月比4.9%増)が、基調としては引き続き弱含んでいる。製造業の残業時間は、生産の動きを反映し、6ヶ月連続で前月比減となっている。「残業規制」等の雇用調整を実施した事業所割合は、1-3月期はやや上昇した。


3.物価と金融情勢                           

国内卸売物価消費者物価は、ともに弱含んでいる。

 国内卸売物価は、電気機器や鉄鋼の下落などにより、平成13年入り後弱含んでいる。5月は前月比保合いとなったが、上昇した食料用農畜水産物の変動は季節的なものである一方、電気機器、輸送用機器などは値下がりが続いており、基調としては継続して下落している。輸出物価(円ベース)は、契約通貨ベースで電気機器(集積回路)などが値下がりしたことに加え、円高の影響を受け前月に比べ下落した。輸入物価(円ベース)は、契約通貨ベースで機械器具(集積回路)などが値下がりしたことに加え、円高の影響を受け前月に比べ下落した。なお、企業向けサービス価格は、前年同月比で下落が続いている。
 消費者物価は、繊維製品などの下落により、平成12年秋以降弱含んでいる。(生鮮食品を除く総合:4月前年同月比0.5%下落)。なお、5月の東京都区部では、前年同月比下落幅は前月と同じであった(同:5月前年同月比0.9%下落)。
 こうした動向を総合してみると、持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレにある。
金融情勢については、短期金利は、年明け以降、日本銀行による金融緩和措置等を受けて、低下傾向で推移している。
 短期金利についてみると、オーバーナイトレートは、5月は、日本銀行による金融緩和措置の浸透を受けて、おおむね0.01%で推移した。2、3ヶ月物は、年明け以降、日本銀行による金融緩和措置等を受けて、低下傾向で推移している。長期金利は、景気の先行きを懸念する市場の見方などもあって、昨年秋より低下基調で推移し、3月下旬には1.0%台まで低下した。その後は一旦上昇したものの再び低下し、5月は、ほぼ横ばいで推移した。
株式相場は、昨年春より下落基調で推移してきたが、3月中旬以降反転し、4月末から5月上旬にかけて構造改革期待の高まりや堅調な米国株価の動向等を背景に上昇した後、5月末にかけて徐々に下落した。
対米ドル円相場は、昨年末から円安が進んでいたが、5月は、中旬にかけて121円台~123円台の狭い範囲での値動きとなった後、下旬はユーロ安につられる形で上昇し、119円台となった。対ユーロ相場は、昨年末からユーロ独歩高が進んできたが、5月は、上中旬に107円台から110円台で推移した後、下旬には102円台まで大きく上昇した。
M2+CD(月中平均残高)は、昨年後半以降、おおむね前年同月比2.0%増程度で推移してきたが、年明け以降、郵便貯金からの資金シフト等を受けて、やや伸び率を高めている(5月速報:前年同月比2.9%増)。民間金融機関の貸出(総貸出平残前年比)は、96年秋以来マイナスが続いており、企業の資金需要の低迷などを背景に、依然低調に推移している。貸出金利は、ゼロ金利政策解除後緩やかに上昇してきたが、年明け以降下落傾向にある。
   
4.海外経済                              
    
アメリカの景気は、弱い状態となっている。アジアでは景気の拡大テンポは鈍化している。
 世界経済をみると、全体として成長に減速がみられる。
アメリカでは、個人消費や住宅投資などに底堅い動きがみられ、消費者心理に下げ止まりの兆しもみられる。一方で、企業収益の悪化から設備投資が抑制されているなど、内需は緩やかな伸びにとどまっている。在庫調整が進むなかで、生産活動が停滞している。雇用は製造業等を中心に減少しており、失業率は上昇傾向にある。景気は、弱い状態となっている。先行きについては、企業収益の悪化などで弱い状態が続く懸念がある。なお、6月7日、今後10年間で総額1兆3,500億ドルの減税法案が成立し、おおむね9月末までに戻し減税が行われることとなった。
ヨーロッパをみると、ドイツでは、景気の拡大テンポは鈍化している。フランスでは、景気は安定した拡大を続けているものの、企業の先行き見通しは悪化している。イギリスでは、景気は緩やかに拡大している。
アジアをみると、中国では、輸出の伸びに鈍化がみられるものの、個人消費や固定資産投資が堅調に推移しており、景気の拡大テンポはやや高まっている。韓国では、生産や個人消費の伸びの鈍化に加えて、輸出の伸びが鈍化したことから、景気は減速している。
金融情勢をみると、アメリカでは、5月15日のFOMCで短期金利の誘導目標水準が0.5%ポイント引き下げられ、4.00%とされた。ヨーロッパでは、欧州中央銀行(ECB)が、5月10日に政策金利(短期オペの最低応札金利)を0.25%ポイント引き下げ、4.50%とした。また、イギリスでも同日、政策金利が0.25%ポイント引き下げられ、5.25%とされた。
国際商品市況をみると、夏場のガソリン需要期を控え、原油価格は上昇した。

今月のトピック:大幅に減少している半導体の輸出と生産



注)
<個人消費>
総務省柊家計調査稗の全世帯実質消費支出は、平成13年3月季節調整済前月比3.3%減の後、4月(速報値)は同0.9%減(前年同月比4.6%減)となった。
消費総合指数(需要側、内閣府試算値)は、平成13年3月(速報値)季節調整済前月比1.1%減の後、4月(速報値)は同0.8%減(前年同月比1.0%減)となった。
消費総合指数の作成方法:家計調査から、GDPの個人消費には含まれない「仕送り金」、「修繕費」や、振れが大きい高額消費である「自動車等購入」などを除外した後、世帯数を乗ずるなどしてマクロの消費ベースにする。これに、自動車、家賃、医療費について別途供給側の統計を用いて計算したものを加える。詳細は、ディスカッションペーパー (http://www5.cao.go.jp/keizai3/discussion-paper/menu.html)を参照。
経済産業省柊商業販売統計稗の小売業販売額は、4月(速報値)は季節調整済前月比2.3%減(前年同月比1.2%減)となった。また、百貨店販売額は、4月(速報値)は、前年同月比0.4%減(店舗調整後)(季節調整済前月比1.3%増(店舗調整前))となった。
チェーンストア販売額(日本チェーンストア協会調べ)は、4月は、前年同月比5.5%減(店舗調整後)(季節調整済前月比0.8%増(店舗調整前))となった。
家電販売額(日本電気大型店協会調べ)は、3月前年同月比19.6%増の後、4月は同1.6%減となった。
乗用車(含軽)新車新規登録・届出台数は、4月は前年同月比0.9%減の後、5月(速報値)は同2.1%増となった。
大手旅行業者13社取扱金額の4月は、前年同月比で国内旅行が0.7%増、海外旅行が同1.6%減となった。
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では、3月前年同月比0.5%減の後、4月(速報値)は同0.2%増(事業所規模30人以上では同0.6%増)となり、うちきまって支給する給与は、4月(速報値)同0.2%減(事業所規模30人以上では同0.4%増)となった。実質賃金は、事業所規模5人以上では、3月前年同月比横ばいの後、4月(速報値)は同0.9%増(事業所規模30人以上では同1.1%増)となった。

<設備投資>
1-3月期の設備投資を財務省「法人企業統計季報」(全規模全産業)でみると、前年同期比で2.5%増(うち製造業22.6%増、非製造業5.8%減)となっている。
経済産業省「経済産業統計」により資本財出荷(除く輸送機械)をみると、季節調整済前月比で3月は1.9%減(前年同期比0.2%増)の後、4月は7.7%減(前年同期比1.9%増)となっている。
日本銀行柊企業短期経済観測調査稗(3月調査)により設備投資の動向(ソフトウェアを除く)をみると、大企業の平成13年度設備投資計画は、製造業で前年度比2.3%増、非製造業で同9.5%減となっており、全産業では同4.7%減となった。また、中小企業では製造業で同22.9%減、非製造業で同20.7%減となっており、全産業では同21.3%減となった。
機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前月比で3月は3.6%減(前年同月比5.7%増)の後、4月は6.3%増(同10.5%増)となり、このところ弱含み傾向にある。なお、4-6月期(見通し)の機械受注(船舶・電力除く民需)は、季節調整済前期比で0.4%増(前年同期比0.6%増)と見込まれている。
民間からの建設工事受注(50社、非住宅)は、3月は季節調整済前月比4.8%減(前年同月比23.8%減)の後、4月は同7.1%減(同13.7%減)となっている。

<住宅建設>
国土交通省「建築着工統計」によると、新設住宅着工総戸数(季節調整済前期比)は、1月は4.6%減、2月は5.7%減、3月は6.3%増、4月は5.8%減となった。また、公庫を利用した持家の着工(同)は、1月は24.8%減、2月は0.3%減、3月は6.1%減、4月は18.9%減となった。さらに、共同建分譲住宅の着工(同)は、1月は34.1%減、2月は4.1%増、3月は20.2%増、4月は6.3%減となった。
住宅金融公庫を利用した持家の着工(全体の新設住宅着工の約15%)の先行指標である公庫への融資申込み戸数(個人向けマイホーム新築資金)は、平成12年度第2回募集(受付期間:8月7日~9月22日)に51,192戸(前年同回比42.1%減)となった後、第3回募集(受付期間:10月30日~12月22日)は35,486戸(同4.5%減)、第4回募集(受付期間:1月22日~3月23日)は33,375戸(同11.5%減)となり、低水準にとどまっている。また、平成13年度第1回募集(受付期間:4月23日~5月28日)は、28,432戸となっている(平成13年度から受付回数が年4回から年6回になったため、単純に比較できない)。

<公共投資>
平成12年度の国の一般会計予算(補正後)をみると公共事業関係費は前年度比6.2%減となっている。同じく都道府県及び市町村の普通会計予算(9月補正後、単純合計)をみると、普通建設事業費は前年度比7.1%減となっている。
また、平成13年度の国の一般会計予算(当初)をみると、公共事業関係費は前年度当初予算とほぼ同額を確保している。地方の一般会計予算(当初)についてみると、「日経地域情報」調査によれば、普通建設事業費は、都道府県で前年度比2.4%減、全市で同3.1%減、特別区で同6.8%減となっており、これらを単純合計すると前年比2.7%減となる(骨格予算を編成した地方公共団体などを除く)。
公共機関からの1件500万円以上の建設工事受注額(建設工事受注動態統計調査)は、前年同月比で4月は7.2%減となった。同じく大手50社の建設工事受注額は、前年同月比で3月16.9%減の後、4月は11.7%増となった。また、公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)は、前年同月比で3月15.9%減の後、4月は4.7%増となった。

<輸出・輸入・国際収支>
通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、1-3月期前期比3.2%減(前年同期比4.4%減)の後、4月8.1%減(前年同月比9.1%減)となった。
通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、1-3月期前期比2.0%減(前年同期比6.3%増)の後、4月前月比6.8%減(前年同月比1.6%増)となった。
機械機器輸入(数量ベース、季節調整値)は、1-3月期前期比2.5%減(前年同期比10.4%増)の後、4月前月比2.7%減(前年同月比2.6%増)となった。
貿易・サービス収支の黒字は、3月は2,307億円(季節調整値)、通関収支差は、3月7,993億円の後、4月6,114億円となった。
貿易・サービス収支の変動を大きく左右する貿易収支をみると、4月の黒字は、通関統計(国際収支統計との季節調整方法の違いなどを修正)からすると、3月の黒字を上回る可能性が高いと考えられる。

<生産・出荷・在庫>
4月の鉱工業生産指数(季節調整値、速報)は、電気機械や一般機械等が減少したことから、前月比1.7%減となった。
製造工業生産予測調査によると、前月比で5月は電気機械や非鉄金属等により0.3%増の後、6月は電気機械や化学等により0.8%減になると見込まれている。この見込み伸び率どおりに推移した場合、4-6月期の生産は前期比2.8%減(速報値による試算)となる見込みである。
4月の鉱工業生産者製品在庫指数(季節調整値、速報)は、前月比2.1%増となった。また生産財の在庫指数は、昨年10月以降7か月連続で増加している。
3月の第3次産業活動指数(季節調整値・速報)は、運輸・通信業やサービス業等が増加した結果、前月比0.8%増となった。また1-3月期では、前期比1.9%増となり、2四半期連続の増加となった。

<企業>
企業収益は、平成11年以降改善している。今回の収益改善の特徴をみると、企業の人件費抑制等のリストラ努力が挙げられる。業種別にみると、製造業では、変動費は収益の圧迫要因であるが、売上高が増加したことの寄与が大きく、特に平成12年4-6月期以降は人件費抑制も増益に寄与している。一方、非製造業では、平成12年1-3月期までは主に変動費を減少させることで収益を増加させてきていたが、4-6月期以降は人件費抑制の寄与が大きくなっている。
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、全規模・全産業では、平成12年度下期の経常利益は前年同期比1.0%の減益の後、平成13年度上期には同1.6%の増益が見込まれている。
また、財務省「法人企業統計季報」によると、1-3月期の全産業の経常利益は横ばい(前年同期比0.0%)となった。
一方、業況判断について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査、業況水準について「良い」-「悪い」)をみると、全規模で製造業は13%ポイント悪化して△19%ポイントとなり、非製造業は4%ポイント悪化して△24%ポイントとなった。また、内閣府「法人企業動向調査」(3月調査)で企業の業界景気の判断(3か月前との業況比較で「上昇」-「下降」)をみると、製造業は26%ポイント悪化して△27%ポイントとなり、非製造業は16%ポイント悪化して△24%ポイントとなった。

<倒産>
企業の倒産については、東京商工リサーチ「倒産月報」によると、4月の企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,575件(前年同月比0.8%増)、負債総額は9,776億円(同1.0%増)となっており、帝国データバンク「全国企業倒産集計」によると、企業倒産件数は1,631件(同4.4%増)、負債総額は10,480億円(同10.8%増)となっている。

<雇用情勢>
総務省「労働力調査」の4月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差3万人増の323万人となった。
厚生労働省「職業安定業務統計」の新規求人数は、季節調整済前月比で1月5.2%減、2月1.9%減、3月4.0%減の後、4月は4.9%増となった(4月前年同月比10.3%増)。製造業では、4月前年同月比2.7%減となり、20ヶ月ぶりに減少となった。有効求人倍率(季節調整値)は、3月0.61倍の後、4月0.62倍となった。新規求人倍率(季節調整値)は3月1.02倍の後、4月1.05倍となった。
毎月勤労統計調査によると、所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では3月季節調整済前月比2.5%減(前年同月比2.1%減)の後、4月は同1.5%減(同3.5%減)(速報値)となった。
厚生労働省「労働経済動向調査」によると、雇用調整実施事業所割合(調査産業計)は、平成12年10-12月期の21%から平成13年1-3月期は23%となった。

<物価>
日本銀行「卸売物価指数」の5月の国内卸売物価は前月比保合い(前年同月比0.6%下落)、輸出物価(円ベース)は前月比1.5%の下落(前年同月比3.6%上昇)、輸入物価(円ベース)は前月比1.4%の下落(前年同月比9.8%上昇)となった。
日本銀行「企業向けサービス価格指数」の4月の企業向けサービス価格は前年同月比0.7%の下落(前月比0.1%下落)となった。
総務省「消費者物価指数(全国)」の4月の生鮮食品を除く総合は、前年同月比0.5%の下落(前月比0.3%上昇、季節調整済前月比0.1%下落)となった。「消費者物価指数(東京都区部、中旬速報値)」の5月の生鮮食品を除く総合は、前年同月比0.9%の下落(前月比0.2%上昇、季節調整済前月比保合い)となった。

<金融>
無担保コールオーバーナイトレートは、5月はおおむね0.01%で推移した。3ヶ月物ユーロ円TIBORは、5月は0.09%台から0.07%台に低下した。10年物国債流通利回りは、5月は1.2%台~1.3%台で推移した。
東証株価指数(TOPIX)は、4月末の1,366ポイントから、5月上旬には一時1,440ポイントまで上昇した後、月末には1,310ポイントとなった。日経平均株価は、4月末の13,934円から、5月上旬には一時14,529円まで上昇した後、月末には13,262円となった。
対米ドル円相場はインターバンク直物中心相場、対ユーロ円相場はインターバンク17時時点の相場。
広義流動性は、5月(速報)は前年同月比2.6%増となった。金融機関(全国銀行)の貸出(月中平均残高)は、5月(速報)は前年同月比3.8%減(貸出債権流動化・償却要因等調整後1.6%減)となった。5月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債の発行は無かった。また、国内公募事業債の起債実績は、8,880億円(うち銀行起債分1,300億円)となった。国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、4月は前月比で短期は0.110%ポイント上昇し、長期は0.144%ポイント上昇したことから、総合では0.105%ポイント上昇し1.700%となった。