(16) 阿部(2005)では、経済のグローバル化の影響について、ヘクシャー=オリーン理論によると我が国は賃金が高いため、資本集約的な財の生産に比較優位をもつとしている。このことにより、アジアを中心とした海外生産現場へ労働集約的な財の生産を移したことが経済のサービス化といった産業の高度化につながり、雇用の流動化につながった可能性を指摘している。また、樋口ほか(2005)では、ITの導入・利用が正規雇用者節約的な技術変化であることを指摘している。具体的には、情報化の影響について、企業のIT導入により業務をデジタル化し、社内の情報処理構造を変化させる結果、長期雇用の中で社内業務に精通し、また社内に人的ネットワークを構築してきた正規雇用者の非正規雇用者に対する優位が弱まる可能性があるとしている。