平成3年
年次世界経済報告 資料編
経済企画庁
II 1990~91年の主要国の政策動向
83年央以来,長期にわたって拡大を続けたオーストラリア経済は,88年後半からの金融引締め政策により減速し,90年第2四半期には景気後退局面に入った。91年に入っても内需不振が続き,景気後退から脱しきれていない。一方で物価は沈静化している。
このような中で,金融政策は90年初から緩和政策に転じた。財政政策は,景気後退により税収が伸び悩む中,景気を刺激するような歳出拡大は盛り込まれていない。
景気が不振な中で政府は91年3月,経済・産業政策声明を発表した。この中で,国内産業の競争力を高めることを目指し,保護関税政策からの脱却を表明した。