平成3年

年次世界経済報告 資料編

経済企画庁


[前節] [目次] [年次リスト]

II 1990~91年の主要国の政策動向

第12章 その他アジア

5. インドの新産業政策と新貿易政策

(1)新貿易政策

「新貿易政策」は,91年7月4日発表された。この政策は,「インドの貿易政策が,数十年にわたり行政府による管理と許認可システムによって形成されてきたため,不効率(遅滞と浪費)と賄賂をもたらしてきた」(商業担当国務大臣)との認識に立ち,石油製品,肥料,食料油等の必須物資以外は輸入規制を緩和することが中心となっている。

「新貿易政策」では,輸入に関して,これまで特定品目以外は,すべての輸入に要求されていた個別の輸入ライセンスを簡素化し,輸入は原則として輸入補充ライセンス(REP:ReplenishmentLicence)に統一する。さらに輸出に関しても,各種の輸出許可ライセンスを廃止し,REPに一本化することとしている。REPは輸出入許可証としての性格を有することとなり,輸出入手続きが簡素化される。また,同時に輸出に関連する輸入枠が拡大されており,輸出振興を図ることも意図されている。

図表

(2)「新産業政策」

「新産業政策」は,91年7月24日発表された。この政策は,「インドカ産業経済を取り巻く広範な官僚的規制を取り除くための政策」(政府発表)とされ,市場経済機能重視への政策転換と宣言された。

「新産業政策」は,産業ライセンス制度を大幅に縮小することと,外国からの投資を促進するための措置が中心となっている。

図表


[前節] [目次] [年次リスト]