平成3年
年次世界経済報告 資料編
経済企画庁
II 1990~91年の主要国の政策動向
アセアンは87年以降,高度成長を続けている。その中心となってきたタイ,マレーシアでは,91年に長期計画が策定され,政策運営の基本方針が示されている。その内容をみると,財政支出は,分野を特定し,国民生活の質的向上に重点が置かれている。また金融政策については,外国為替管理規制の緩和等の規制緩和が共通している。
インドネシアでは,本格的な規制緩和が進められており,91年には輸入面,直接投資面で具体策が実施された。フィリピンでは,他のアセアン諸国とは異なり,投資の不振を主因に低成長に陥っているため,91年に海外投資受入促進策として「1991年外国投資法」を制定した。
インドでは,91年に「新産業政策」及び「新貿易政策」が発表され,これまでの社会主義的経済から市場メカニズム中心の経済構造に抜本的に転換することを内外に宣言した。