平成2年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1989~90年の主要国経済

第11章 中  国:経済引締め策の一部見直しから回復に向かう

8. 政策等

中国国家外貨管理局は,90年11月17B,「経済,金融制度の改革を深め,経済の発展を促すため」人民元の公定為替レートを9.57%切下げた(IUSドル=4.72人民元→5.22人民元<売買中値>)。

90年は第7次5ヵ年計画(1986~90年)の最終年にあたるが,GNP,工農業生産総額が計画目標を超過達成し,生活水準が向上,対外開放が更に拡大する等基本的には同期間中の目標はほぼ達成された。91年度からは,第8次5ヶ年計画が実施されるが,上海の浦東地区の発展計画等大型プロジェクトの増大に対応し,5ヶ年計画に平行して10ヶ年の長期計画も導入する方針を定め,現在策定を進めている。8月2日の全国工業生産工作会議での李鵬首相の演説によれば,今後10年間のGNP成長率は5.5~6%に保つことが必要であるとしている。また,生産効率向上のため今後の5年間は,エネルギー,交通,通信,農業分野の建設を進め,一般加工工業は盲目的に新たなプロジェクトに着手せず,技術改造を主とし既存の生産能力を十分に利用することで生産を拡大させるべきと5ヵ年計画の指導思想を示した。

なお,11月に第4回人口調査の調査結果が発表された。これによると,90年7月1日午前0時現在での中国大陸の人口は11億3,368万2501人で,台湾,香港,マカオの各々の発表人口数を基に推計すると,全体では11億6,001万7,381人となる。伸び率をみると,大陸人口(台湾,香港,マカオは含まず)は,82年の第3回人口調査時と比べて12.45%増となり,年平均では1.48%の増加となった。


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