平成2年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1989~90年の主要国経済

第2章 カナダ:マイナス成長,2四半期続く

3. 生産・雇用

(1)鉱工業生産

88年中概ね好調に推移した鉱工業生産は,89年に鈍化し前年比0.1%増となった。内訳をみると88年に大幅な伸び(前年比7.5%増)となった耐久財が自動車等の不振から,89年は前年比0.6%増と大幅に鈍化し,非耐久財も同0.3%増と伸び悩んだ。90年に入ってからも低水準の生産が続いており,1~3月期前期比1.8%減,4~6月期同0.1%増,7~9月期間0.4%減と減少傾向が続いている。製造業稼働率は88年にほぼ頭打ちとなった後,89年初より緩やかな低下傾向が続いている。

(2)雇用情勢

雇用情勢をみると,失業率は89年半ばにほぼ下げ止まりその後7.5%程度の横ばいで推移した後,90年後半より製造業(特に自動車)の不振が顕著になってきたこともあり上昇に転じている(第2-3図)。政府は失業率は8%程度の水準が望ましいと考えており,90年12月の9.3%のレベルでは悪化しすぎとみている。雇用者数の動向をみると,サービス業では緩やかな増加傾向が続いていたが,90年半ば以降減少している。一方製造業では89年初にピークをつけた後,89年中はほぼ横ばいで推移していたが,90年以降は自動車部門等でレイオフが行われたために雇用者数が減少している。また建設業も住宅需要の減少から雇用者数が減少傾向となっている。


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