平成元年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1988~89年の主要国経済

第10章 中国:中国経済は厳しい情勢へ

4. 投資動向

86年以降は投資計画では前年実績比ゼロ成長に抑えるとされていたにもかかわらず,固定資産投資額は,86年前年比18.7%増,87年同20.6%増,88年23.5%増と計画を大きく上回る結果となった。

投資を主体別にみると,88年は国営企業は前年比20.2%増,集団所有制企業では同30.1%増,郷鎮企業では28.4%増と大きく伸びた。また投資資金の内訳をみると,88年は国家予算以外(国内借入,自己資金,外資)からの投資の割合が拡大しており,とくに自己資金は88年前年比33.5%増と自律的な投資の増加,外資は88年同45.1%増と対外開放政策の効果を示している。

86年以降,ホテルや事務所ビル等の非生産的な建設への投資は厳しく制限されたことから,生産的な投資のシェアは81年の55.3%から88年の62.9%へと増加している。

基本建設投資額は88年に前年比14.9%増と伸びた後,89年にはいって,経済調整策の目標である22.2%減には至っていないものの,1~3月期前年同期比0.6%増,4~6月期同4.5%減と次第に投資抑制効果が現れてきている(第10-4表)。


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