平成元年
年次世界経済報告 各国編
経済企画庁
I 1988~89年の主要国経済
第10章 中国:中国経済は厳しい情勢へ
中国の穀物生産は,85,86年と4億トンを割りこんだ後,87年には4.03億トンとなったが,84年の最高水準には到達しながった(第10-2表)。88年は,年央のかんぼつや,播種面積の減少(88年前年比1.3%減)などがら3.94億トンと前年比2.2%の減産となった。
政府は自給体制の崩環に危機感を抱き,農地の転用をより厳しく制限するとともに,生産割り当ての達成を農家に強く求めた。農村地域への助成金も増やした。
農業省によると,89年の穀物生産は4.79億トンと過去最高を記録し,前年比20.1%増となった。東北,山東,華北北部で局部的な大干ばつに見舞われたため,トウモロコシの生産量は減少したが,夏期収穫小麦は史上最高を記録したほか,南部14省の早稲は豊作となり,夏期収穫小麦と早稲を合わせた生産量は前年比351万トン増で,その他の秋季収穫食糧主産地でも増産が見込まれている。
89年10月の時点で,全国の工芸作物の生産は昨年よりよく,綿花,油料作物もやや増産となっており,昨年大増産となった糖料作物は今年,も増勢を保っている。